ビジネスメールで大失敗する新人新人がビジネスメールで大失敗したという話を見聞きしたことはないだろうか?(写真はイメージです)

この春に新入社員が入ってきた会社も多いことだろう。しかし、新入社員には採用後の研修が十分でない場合、ビジネスメールで大きな失敗をする可能性が高いのだ。なぜ新人がメールで大失敗しやすいのか、イマドキの大学生のSNS事情から迫ってみた。(ITジャーナリスト 高橋暁子)

年々増え続けるLINEからの問い合わせに
困惑する教授たち…

 多くの新入社員はわずか数ヵ月前まで大学生だったはずだが、研修担当者あるいは部下を指導する方は、大学生のITリテラシー(情報機器やネットワークを利用し、収集した情報から自分の用途に合わせて活用できる能力のこと)の実態をご存じだろうか。

 以前、ある大学教授に話を聞いたところ、「学校の公式サイトを見たり友だちに聞いたりすればいいのに、なぜLINEで教員に講義が休講かどうかの問い合わせを送ってくるのか理解できない。そんな学生が年々増えて困っている」とこぼしていたのである。

 実はLINEが流行する前のスマホメールの時から、自分の名前を名乗らないまま件名も付けず、「今日は休みます」とだけ書いて送ってくる学生は少なくなかったのである。

 教授たちを困惑させる話はそれにとどまらない。他には「○○に関してそもそも教授に聞くことなのか」とか、「目上の人に質問する場合はどのように送ればいいか」などといった問題もある。

 学生たちの行動を見ていると「教授に聞けば教えてくれるからいいや」という甘えの気持ちが見え隠れする。それまで自分で考えて解決することなく、保護者や教員などの言うなりに受け身で過ごしてきてしまったためだろう。ただ親の言う通りに勉強さえしていればよかった高校時代までの態度を引きずっているのだ。大学生のうちに改められればいいが、その機会がないまま就職してしまうと、受け身で考えない社会人ができ上がってしまうというわけだ。