昨年末から今年にかけて、金融庁が生命保険会社各社に対し、保険の募集文書の一斉検証を指示、報告を求めていたことが本誌の取材でわかった。

 これは保険の販売をめぐって再三に渡る指導を受けながら、苦情が一向に減らないことを金融庁が問題視したことが背景にある。なかでもターゲットになったのは、医療保険とがん保険だった。

数万件に上る募集文書の
点検指示に震え上がる生保

 それは、国会で発せられた1つの質問から始まった。

「誇大広告がないかどうかをどのように見ているのか。広告規制を強化すべきではないか」

 昨年10月末に開かれた衆議院の財務金融委員会。質問に立った自民党のあべ俊子議員は、中塚一宏金融担当副大臣を問いただした。医療保険の募集広告があまりに誇大で、消費者の誤解を招いているのではないかとの趣旨だった。

 それから2ヵ月後、金融庁が動く。生命保険各社に対し、保険募集のパンフレットや広告の一斉検証を指示、今年2月までに報告するよう求めたのだ。さらには、報告に偽りがないか、金融庁自身がチェックする旨も通告。保険各社は震え上がった。

 金融庁がかくも強硬な姿勢を打ち出すのには理由がある。実は募集文書をめぐっては、以前から誇大にならないよう指導がなされ、2006年には厚生労働省保険局長名で保険会社に要請までした経緯があるからだ。

 にもかかわらず、金融庁などの元には、苦情が相変わらず寄せられている。そうした折に政治家からの質問を浴び、金融庁も腰を上げたというわけだ。