短期間で深い絆を作るには
共通の○○体験がいい!

 では、人間がどういう共通項を感じた時に仲良く慣れるのかというと、「共通の感情体験あるある」を見つけた瞬間だと言えます。先ほどの私の例では、お互いが「締め切りに追われるのは大変ですよね!」という、辛い感情の共通体験があるために、一気に相手に心を開くことが出来たのです。

 これを踏まえた上で、安倍首相がトランプ大統領の心を開かせたプロセスを見てみましょう。2016年の年末、安倍首相はトランプ氏が大統領選挙で勝つと、世界の誰よりも早くトランプ氏に会いに行きました。そして、大統領に就任するよりも前の段階で、安倍首相はトランプ氏に、「あなたと私には共通点がある」と語りだしました。そして、「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った……」と、共通の感情体験あるあるを言いました。

 すると、トランプ氏は安倍首相の苦労を乗り越えた感情に共感し、「私も勝った!」と同調するように発して心を開いたそうです。洋の東西を問わず、人と打ち解けるには、同じような感情を共有する事がとても大切です。

 実は、このテクニックを使いこなすには、共通の感情体験を見つけ出す眼力が非常に重要になってきます。もし、安倍首相がNYTと朝日新聞が提携しているという事を見逃していて、「お互いメディアに叩かれて国のトップになった仲間」とだけ言っていたならどうでしょう。恐らく、トランプ氏にとっての印象も全く違っていて、やや薄い絆しか感じなかったはずです。ですから、なこの方法を使う場合は、なるべく細かい「共通の感情体験あるある」を見つけるようにしてみて下さい。