さまざまな技術革新によって、鉄道車両の入れ替えスピードが増している。かつては40~50年ほど使用することが一般的だったが、今では15年足らずで引退となるケースも。大量に発生している引退車両は一体、どこへ行くのだろうか?(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

日比谷線で新型車両の導入が進む
4ドアで快適性も格段に進歩

導入が進む東京メトロの13000系車両昨年3月から導入が進んでいる、東京メトロ13000系車両。鉄道各社の新型車両導入のサイクルは、かつてとは比べものにならないほど短くなっている。お役御免になる大量の旧型車両は一体、どこへ行くのだろうか?

 地下鉄日比谷線で新しい車両に遭遇する機会が増えてきたと感じている方も多いだろう。発車時刻を案内する電光掲示板に「7両」と表示されていれば、新型車両がやってくる。

 トンネルの向こうからLEDヘッドライトの白い光とともに姿を現すのは、銀色に輝く車体。2017年3月から導入が進んでいる東京メトロ13000系車両である。

 これまでの車両は1両当たり全長18メートルで、左右両側に3つずつドアが付いていたが、新型車両は全長20メートル4ドアとなり乗降がスムーズになる。車内には3画面式の液晶案内装置やクリアな音質のステレオスピーカーが装備され、強化された冷房装置、騒音の発生を抑える新型台車の採用など、快適性も格段の進歩を遂げている。

 直通運転を行う東武鉄道でも、赤い配色が印象的な70000系車両の導入を進めている。デザイン以外のスペックは、東京メトロ13000系とほぼ同じ。既に全体の半分ほどの車両が新型に置き換えられている。2020年度中に全車両が新型になる予定で、完了次第、日比谷線の全駅にホームドアを設置する工事に着手することになる。