アドビシステムズのAI技術
「アドビ・センセイ(Adobe Sensei)」の衝撃!

「フォトショップ(Photoshop)」などの画像編集ソフトの老舗として知られるアドビシステムズは、「Adobe Creative Cloud」と呼ばれる、グラフィックデザインやビデオ制作などのワークフローを支援するサービスを提供しています。

 そして、この「Adobe Creative Cloud」の最新バージョンの最大の目玉が、アドビシステムズのAIテクノロジーである「アドビ・センセイ(Adobe Sensei)」です。

 たとえば、たった今挙げた「フォトショップ(Photoshop)」では、AIを使った画像解析を行うことで、画像の解像度を上げる際に、より自然に補間することが可能になっています。

 また、「ディメンション(Dimension)」というソフトを使えば、AIが「3Dと画像の合成」まで行ってくれます。

 この「3Dと画像の合成」のテクノロジーに関する詳細な解説は控えますが、従来であればとても大変な作業でした。

 たとえば、缶コーヒーをデザインする場合、デザイナーがイメージを3DCG化するためには、自身で3DCG作成ソフトを習得するか、3DCGクリエイターに依頼しなければできない作業でした。

 それを、AIが代わりに行ってくれるわけですから、3DCG作成ソフトを習得したり、合成するために試行錯誤する手間が大幅に省けたり、もっと言えば、今後は3DCGクリエイターと分業する必要すらなくなっていく可能性があります。

 本連載でも、第10回連載で、「AIのディープラーニングの原点とも言えるのは、2012年にグーグルが『猫の認識』に成功したことである」との私見を示していますが、これは「静止画の認識」です。

 また、第15回連載では、AIが読唇術で人間のプロに勝ったエピソードを紹介していますが、こちらは「動画の認識」の話です。

 アドビシステムズは、この「動画の認識」の分野でもぬかりはなく、アニメーション作成ソフトの「キャラクターアニメータ(Character Animator)」でもAIを活用し、音声と口の動きが合致する機能を提供しています。

 このように、「画像認識」や「動画認識」は、AIが最も得意とする分野で、拙著『マルチナ、永遠のAI。』でも、美人AI「マルチナ」は、顔の認識など朝飯前で、表情認識で嘘を見破るなど、物語のクライマックスシーンをより一層盛り上げています。

 この作品の舞台は2020年と約2年後の話ですが、決してSFではなく、すでに現在の技術でもある程度までは実現していることを、私は本連載を通じて訴えてきました。