従業員はリーダーの振る舞いを見ることで、何をすべきか(すべきでないか)を学習するものだ。だが、自分の言動が部下に与える影響力を理解していない人があまりに多いと筆者は言う。本記事では、企業文化に負の影響をもたらすような、3つの悪習が示される。


 組織のトップに立つ者は、その統括対象が会社全体であれ、職能部門、地域、事業部門であれ、部下に対して甚大な影響力を持っている。

 組織内で下の階層にいる者は、リーダーを見て、何をしてよいか(およびしてはならないか)に関するヒントを得る。そうやって、経営陣の良い習慣と悪い習慣の両方が手本とされていく。みずからの行動を、まるでジャンボトロン(かつてソニーが製造していた巨大ディスプレイ)に映し出すかのように公に見せることには大きな責任が伴う。だが残念ながら、その責任を真剣に受けとめていない経営陣があまりに多い。

 みずからが手本になることの影響は、ほとんどの経営陣が考えるよりはるかに大きい。

 それがうまくいけば、経営陣は組織を結束力の固い優れたチームへとまとめ上げることができる。しかし最悪の場合、最も忌むべき悪習が許容される、あるいは、称賛さえされるという前例をつくってしまうのだ。

 私が30年間にわたって、企業の経営陣と仕事をしながら見てきたなかで、会社に最も好ましくない影響を与える3つの習慣がある。本稿では、そうした悪習を正すためのアドバイスを述べよう。