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デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

部品メーカーの未来を担う事業を
生み出す組織の作り方

PwCコンサルティング
【第2回】 2018年7月2日
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「未来創造活動」を始める前の準備は、活動の推進において非常に重要だ。今回は、その準備段階で「1.未来創造活動を推進するチームの構築」「2.未来創造活動の『場』の設計」必要な2つの取り組みについて解説する。

1.未来創造活動チームの構築

渡辺 智宏(わたなべ ともひろ)
PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー

大手ITベンダーにて業務/組込みシステム開発、プロジェクトマネジメント、ソフトウェア技術の研究・開発などに携わる。その後、複数の国内外の大手コンサルティングファームを経て現職。製造業のR&D領域における業務効率化、事業・技術戦略立案、新規事業開発、モジュール化、品質改善、プライシング、原価企画、PLMシステム構築などのコンサルティング、セミナーに数多く携わる。主な専門業界は通信・ハイテク、自動車および輸送機器、産業機械、ロボット・FAなど。技術に加えて、マネジメントやビジネスの知見を併せ持つR&D部門への変革を支援する。主な著書に「技術を強みとした新規事業開発の教科書」「製造業R&Dマネジメントの鉄則」など

 準備段階で行うことの1つ目は、未来創造活動チームの構築だ。ここでのポイントは、「熱意のある野心的な異端児メンバーを中心にチームを編成する」ということである。未来創造活動は、まだ世の中に存在しない事業や製品・サービスを創造していく活動であり、既存の常識に囚われていると、それがボトルネックになりかねない。

 特に部品メーカーの場合、完成品メーカーからの要求に従順に対応していることも影響し、既存の価値観からの脱却が課題となっている企業も多い。法に触れたり公序良俗に反したりするようなことは問題だが、既存事業を推進している多くの「常識的な優等生」とは異なる特徴を持った異端児的なメンバーを選定し、既存の枠組みを打破できるチームを構築することが望ましい。

 一般的に、未来創造活動チームの構築は、(1)メンバーの募集、(2)メンバーの選定、(3)活動チームの編成の3ステップで行う。

(1)メンバー候補の募集
 まずは、未来創造活動チームのメンバー候補を集めることが最初のステップとなる。ここでのポイントは、活動に対する情熱を持ったメンバーを集められるかどうかだ。情熱のあるメンバーでチーム編成できるか否かで、活動の推進力は大きく変わる。

 メンバーを集める方法は「未来創造活動チームリーダーからの指名」「各部門からの推薦」「社内公募への自薦」の3つが一般的で、このうちのどれかを採用している企業が多いが、「社内公募への自薦」を採用している企業は、未来創造活動を含む新規事業開発の成功率が高い傾向にある。

 メンバーは既存事業との兼務も多く、未来創造活動に時間を割けない状況に直面することもある。この時、情熱のある自薦のメンバーと、他薦で選ばれた受け身のメンバーとでは活動へのモチベーションが異なり、推進力に大きな差が生まれやすい。

 また、メンバーは様々な部門から、マネジャー層と担当者層の両方を集めることが望ましい。これは、組織上の立場、業務経験、視座の高さや視野の広さ、思考の柔軟性などの違いを様々に織り交ぜることで、認知バイアス(思考の偏り)を払拭するためである。

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日本のモノづくりを支えてきた部品メーカーが、デジタル大変革時代に岐路に立たされている。これまでの製品メーカーからの発注を待つ受け身の姿勢を変え、自ら未来を想像する発想の転換と実行態勢の構築が求められるが、具体的な方法論が見いだせない。この状況を打破するためのヒントを提供する。

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