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一見地味なアマゾンのスマートハウスから
何を読み取るべきか

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第446回】 2018年7月2日
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アマゾンが全米で設置を始めた自社製品のデモハウス「アマゾン・エクスペリエンスセンター」の外観。住宅そのものは、大手建売住宅メーカーであるレナーが建築

「アレクサ」を標準装備した
モデルハウス

 アマゾンが、5月から全米にスマートハウスのためのモデルハウスを展開している。その名も「アマゾン・エクスペリエンスセンター」。現在、カリフォルニア、フロリダ、テキサス州など14ヵ所に設置している。

 ただしモデルハウスと言っても、これはアマゾンが独自に建設したものではない。建売住宅メーカー大手のレナーと提携し、レナーのモデルハウスにアマゾンのAI音声アシスタント機器のアマゾン・エコーを統合したものだ。アマゾン・エコーがスマートハウスのために何ができるかを、具体的な住空間の中で見せようという試みだ。

 正直なところ、アマゾン・エクスペリエンスセンターは日本流の「スマートハウス」を期待して訪れると、がっかりする。見た目はよくあるアメリカ風の建売住宅で、未来的なデザインではない。また、アマゾン・エコーでできることも現在は限られている。スマートハウスが約束するような家全体の消費エネルギーのモニターや管理、太陽光の創蓄電といったことは想定されていないのだ。

 実際、意外なことにアメリカのスマートハウスへの関心は、日本に比べるとかなり遅れている。住宅に関連するIoT製品も多く発売されており、太陽光パネルの設置率も高い。だが、スマートホームを一体化して促進する日本の家電メーカーや住宅メーカーのような存在がなく、関連テクノロジーがバラバラに散在しているという状況なのだ。

 そこへ、アマゾン・エコーである。具体的に、アマゾン・エクスペリエンスセンターではどんなことができるのかを説明しよう。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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