経営×経理

 もちろん、上司のタイプは様々ですが、現場の社員よりも経営に対する責任が重いことは変わりません。よって、「予算達成」「コスト削減」など上司が現在最も重視している目標に焦点を合わせた話し方は、シンプルですが効果的です。

 たとえば、「このシステムの導入時期を○月にすれば、予算内に収まり、前年並みの着地が見込まれます」「従前のシステムでは、超過勤務時間が月○時間増える見込みです。新システム導入では、○の機能で効率化が図られて、人的コストも減ることが見込めます」と、上司にとって好都合なメリットを具体的にセリフに添えるのです。

 たとえ否決されても諦めはNGです。必ずその理由を尋ねましょう。そこで上司の資質が丸わかりになるのです。あなたが納得するようなアドバイスが受けられるのか、うやむやにされるのか。見込みのある上司なのかそうではないのか。それらをあなたが判断できる立場にあるのです。

 明確な応えが得られない場合は、あなたから「では、どのような方法で進めていけばよいのでしょう」と代案を求めたり、「改善点はどこにあるのでしょうか」と質問したりして、次の交渉の場面に繋げるのです。それでもラチが明かなければ"上司の上司“に持ち込むなど、方法は他にもあるはずです。資質のない上司に無下にされたからと言って、すぐに諦めてしまう姿勢が一番のNGなのです。

「交渉」を受ける側の上司を
どのように育成すべきか

 企業の経営陣、人事部、経理部長らは、経理実務の担当者に対してどのような資質を求めているのでしょうか。それは簿記知識の豊富さだけでなく、誠実で信頼性があることというのが、大方の見解でしょう。もちろん、他の職種でもこれらの資質は必須です。たとえ新人クラスであっても、会社の債権にあたる現預金を扱ったり、時には給与や役員クラスしか知り得ないデータ類を処理したりするなど、極めてコアなところに触れる機会があるため、誠実さや信頼性を重視するのは当然のことでしょう。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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