大企業へ転職する人が注意したい落とし穴

中小・ベンチャーから積極採用する
大企業はどんな会社か?

 近年の転職市場の変化の一つに、中小企業やベンチャー企業から大企業への転職が普通に行われるようになったことがあります。昔はこういう形の転職はあまり見られませんでした。

 昔はベンチャー企業に行く人材は、良くも悪くもかなり尖った人が多かったのですが、現在はいわゆる一流大学からベンチャー企業に就職する優秀な人材も珍しくありません。大企業には中途採用でもある程度の年齢までは出身大学を重視する傾向があり(一流大学出身者でなければ絶対に採用しないということではありません)、大企業が採用候補とする人材プールができてきたともいえます。

 大企業側も経営環境が変化するスピードが速くなりさまざまな新しい分野に取り組む必要があるため、足りないポストや新たに開拓すべき分野がたくさん出てきています。しかし社内で育成している時間はありませんから、おのずと社外にそうした人材を求める必然性が生まれています。

 特にこうした人材を今、積極的に採用しているのが、少し前に経営不振でリストラを実施した後、業績を回復させてきた大企業の一群です。リストラで組織がスリムになると同時に自社の進む方向性や戦略が明確化され、意思決定も以前より早くなり、積極採用が可能になったのです。

「中小企業か、大企業か」を考えるのは
以前ほど重要ではなくなった

 一般に大企業と中小企業との間には待遇差があり、かつ実際の転職者数が少なかったため以前は「どうすれば中小企業から大企業に転職できるか」と質問されることがありました。しかし上記のように現在は前提条件が変化し、中小・ベンチャー企業から大企業へという人の流れはかなりスムーズになっています。