最下層からの成り上がり投資術!
2018年7月10日公開(2018年7月10日更新)
バックナンバー 著者・コラム紹介
藤井 英敏

米中貿易戦争の開幕で日本株が下落するも、すでに
底入れ!? 日経平均株価は当面、2万2000円を中心に
「もみあい」が続くので、小型株を回転売買で狙え!

 7月6日、米中両国は、340億ドル分の輸入に対する追加関税を相互に発動し、米中貿易戦争がついに幕を切りました。ライトハイザーUSTR代表は「中国との交渉は1年はかかる」と公言しています。今後もこの問題は、折りに触れ市場を揺り動かす材料になるのでしょう。

 ただし、米国の雇用情勢は、米国発の貿易摩擦激化懸念があっても堅調です。このため、よほどのことが起こらない限り、米国株式市場が崩れることもないでしょう。

 6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が市場予測を上回ったものの、平均時給の上昇率は26.98ドルと前年同月比2.7%増にとどまり、上昇率は2008年の金融危機前に記録した3~4%に届かないままです。このため、FRBの利上げピッチが加速することはなさそうです。また、この米金利急上昇リスク低下が、外国為替市場でのドル安につながり、新興国通貨安懸念が後退しました。これもポジティブな現象です。

 さらに、中国人民銀行(中央銀行)が7月9日に発表した6月末の外貨準備は、前月末より15億ドル多い3兆1121億ドルと、今年3月末から3カ月ぶりに増えました。6月の人民元は対ドルで3%下落し、月間として過去最大の下落幅を記録したものの、中国の通貨当局が元買い・ドル売りの大規模な為替介入を見送ったためとみられています。

 なお、中国の外貨準備が増加したことは、元買い要因です。また、これを受け、7月9日の上海総合指数の終値は、前週末比67.8810ポイント(2.47%)高の2815.1095ポイントと、前日比の上昇率は今年最大でした。この上海株の堅調さも日本株への追い風です。

■上海総合指数チャート/日足・6カ月
上海総合指数チャート/日足・6カ月上海総合指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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日経平均株価は7月5日に底入れと判断
今後の値動きは5日移動平均線で判断しよう

 7月5日まで日本株が下落した背景は、

トランプ米大統領追加の中国向け関税引き上げ
⇒中国も関税引き上げで対抗
⇒米中貿易摩擦激化
⇒中国経済悪化
⇒関税の引き上げに限界がある中国の報復策が人民元安誘導
⇒中国人民銀行(中央銀行)が突然、人民元の切り下げを発表して世界の市場にショックを引き起こした2015年8月の再来

という構図でした。しかしながら、現時点において、米中貿易問題が一気にエスカレートする状況ではありません。そのため、日経平均株価は7月5日の2万1462.95円で底入れした格好になっています。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 テクカル的に見ると、日経平均株価は、5日移動平均線(7月9日日現在2万1777.97円)を上回っている限り、堅調推移が期待できるでしょう。第1戻りメドは、25日移動平均線(同2万2394.99円)です。逆に、今後、5日移動平均線、及び52週移動平均線(同2万1768.66円)を割り込むと、1番底の5日の2万1462.95円に対する2番底を付けにいく可能性が高まる見通しです。

東証マザーズ指数は、追証絡みの投げ売りが一巡するも
海外投資家の日本株売りはいまだ継続

 一方、信用取引を活用して短期売買を好む「アクティブ個人」の関心が高い、東証マザーズ指数も7月5日の991.50ポイントで底入れした格好です。週足チャートでみると昨年9月6日の安値997.56ポイント水準でほぼ下げ止まりました。

■東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月
東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ちなみに、松井証券‏の「マザーズ銘柄のネットストック信用評価損益率」によれば、7月5日の信用買い評価損益率は、−25.53%%(前営業日比-2.73pt)でした。

 私は、評価損のここまでの拡大で、耐えきれなくなった信用個人の追証絡みの投げ売りは一巡した可能性は非常に高いとみています。つまり、水準的にもいいところまで下落したし、信用需給面でも投げるべき人は投げ切ったことで、マザーズ市場の需給は劇的に改善したとみてよいでしょう。

 ただし、海外投資家の日本株売りが止まらないと安定的な上昇局面入りは期待できません。6月第4週(6月25日~29日)、海外投資家は、2週連続で売り越しました。売り越し額は2857億円でした。ちなみに、前週は4306億円の売り越しでした。

 また、日経平均先物とTOPIX先物を合算した、海外投資家の売り越し額は3438億円でした。前週の売り越し額は3484億円でした。

 第3週は現物・先物合算で7790億円、第4週のそれは6295億円です。さすがに、これだけの高水準の売りが続くようなら、日経平均株価の戻り余地は限定されてしまいますね。

決算発表で好業績が続けば、
日経平均株価の下値サポートに

 なお、海外投資家が日本株を買い越してくるには、相当な環境変化が必要でしょう。外部環境なら米国株が想定以上に強い動きになるとか、外国為替市場でドル高・円安が強烈に進むなどです。

 内部要因なら、7月22日まで会期が延長された今国会が閉じた後は、9月20日ごろ開票の自民党総裁選で、安倍首相が3選を決めることくらいしか思い浮かびません。モリカケ問題で内閣支持率が急低下した時期もありましたが、大方の予想通りに安倍首相が3選できれば、2021年9月までの在任が可能となります。つまり、アベノミクスがあと3年継続します。これは海外投資家が日本株を買い戻す材料になり得るでしょう。

 まあ、あとは今月下旬から発表が本格化する3月決算の主要企業の2018年4~6月期決算で好業績が確認できれば、それはそれで買い材料にはなるでしょう。しかしながら、第1四半期決算発表時点で、企業側が業績をガンガン上方修正するとは思えないため、第1四半期の業績好調をもって海外投資家が日本株を積極的に買ってくることはなさそうです。

 そうはいっても、好業績が確認できれば、仮に、海外投資家が売り続けても、バリュエーション面から国内機関投資家や個人の買いで、日経平均株価の下値はサポートされるはずです。

今は、値動きの鈍い大型株より、
需給改善が期待できる小型株がおすすめ

 そうこう考えると、当面の日経平均株価は2万2000円を中心とした「もみあい」ということになりそうです。下値は下値で堅く、上値は上値で重いとみています。

 なお、大型株の値動きは海外勢の売りで鈍いでしょうが、マザーズ銘柄を中心とした小型株は7月5日までで強烈な追証絡みの投げ売りが出たことで、需給改善効果が発揮され上がりやすいとみています。

 ですが、正直、信用取引を活用して短期売買を行う個人が大好きな新興銘柄や、材料株については、東証マザーズ指数が1月24日の年初来高値1367.86ポイントでピークアウトして以降、なかなか簡単に買いで儲けられない相場が続いています。このような難易度の高い相場は今しばらく続くとは思います。

 このため、当分は、強いグリップ力(株価上昇を信じて保有し続ける力)で値幅を狙うのではなく、「押し目買い・噴き値売り」の回転売買をメインにしたスタンスで臨むべきでしょう。

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