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三菱商事が苦境のロシア市場で自動車販売を強化する狙い

週刊ダイヤモンド編集部
2009年12月2日
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 ロシアの新車販売に回復の兆しが見えない。前年比2ケタ増の伸び率で拡大し続けた市場は昨年290万台を記録したが、景気低迷による自動車ローンの金利引き上げと審査の厳格化が要因で、今年は150万台程度に半減、来年もほぼ横ばいと見られている。

 新車市場の3分の2を占める輸入車についてはルーブル安による価格上昇と関税の引き上げも打撃となっている。ロシア政府は経済危機後、国内自動車産業の保護を目的に輸入車関税を5%引き上げた。当初は今年1~10月の暫定措置だったが、国産車保護の効果がなかなか出ないため、結局、来年7月までの延長が発表された。

 早期の市場回復後、大躍進し、地場メーカーと海外ブランドの熾烈な競争が繰り広げられている中国やインドとは対照的だ。

 そんななか、三菱自動車の輸入卸売りを手がける露ロルフ・インポートに、長年協業を続けてきた三菱商事が今月、40%出資参画した。株式の買い取り価格は業績に連動し7200万ドルから最大2億ドルとなる見込みだ。

 苦境にもかかわらず販売体制を強化する狙いは何か。ロルフの矢田部陽一郎ディレクターは「足元は厳しいが5年、10年と中長期的には成長する底力がある」と言う。

 現在、ロシアの人口1000人当たり自動車保有台数は200台強、先進国のそれは500台規模なので潜在需要が大きく、また、経済回復と直結する資源価格が長期的には上昇トレンドである可能性が高いというわけだ。

 焦点は今後の市場回復時期だが、「輸入車市場が200万台に戻るのは早くて2012~13年」(矢田部ディレクター)と踏んでいる。それまでは粛々と全国110店舗の販売店の効率とサービスを高める構えだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)

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