会社や人生を選択できる
自由こそが大切

 企業経営では顧客視点が重要だと言われますが、就職に関しては就職希望者の視点で考えることが重要です。親や教員、大学などのキャリアセンターの職員は、大企業=「いい会社」という思い込みを払拭し、狭き門にアプローチすることを後押しするよりも、まずは本人にとってその会社に就職することの意味(前出の三つの要素)を問うべきです。

 一方の学生側も、意識改革が必要です。就職支援サイトで、業種や業界、給料や待遇などの条件を登録し、それに当てはまる会社の求人をまとめて受け取った後、複数の会社に一括でエントリーすることが、学生の典型的な就職活動パターンになっています。ですがこれでは、会社についての情報収集が十分ではなく、当然ミスマッチが発生します。

 海外では、中学・高校といった早い時期からキャリアビジョンを考え、インターンシップも高校から始める国があります。学部も考えず、偏差値の高い大学に受かればそのまま入学するのではなく、まずは中学・高校からキャリアを考えた上で、大学の学部を選ぶべきだと思います。自分の人生は自分で選択する、その選択できる自由が大切なのです。