ダイキンのビル用マルチエアコンダイキンのビル用マルチエアコン。「更新用」を使うと工事の数や時間を圧縮できる Photo by Tomomi Matsuno

「業務用エアコンの受注量がバブル期を超えているかもしれない」(ダイキン工業常務執行役員の舩田聡・空調営業本部長)。業務用空調市場で国内シェア4割を握るダイキンが、特需に沸いている。

 背景にあるのは、大手ゼネコンが首都圏で進める再開発プロジェクトだ。2018年から20年にかけて建設される大型ビル37棟のうち、ダイキンは17棟の受注を獲得。14年以降の同エリアの新築ビル向け受注の約6割を占めている。

 オフィスビルの供給過剰問題は予断を許さないが、舩田氏は「再開発は25年まで続く」と予想している。竣工後20年を超える中古ビルの建て替え需要も順調で、空調市場の拡大が期待できるという。

 実際、ダイキンの中期経営計画でも強気の数字が並んでいる。20年度の空調事業のグローバル売上高目標は15年度比42%増の2兆5900億円。成熟市場の日本でも売上高同18%増の4900億円という高いハードルを課している。