ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

未来の事業は
メガトレンドの「整理」からは生まれない

PwCコンサルティング
【第3回】 2018年7月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

将来の事業検討を進める際、中長期的な外部環境の変化を予測した上で自社の方針を検討する、という進め方は、部品メーカーにおいて広く普及している。特に、顧客が生産する最終製品の将来トレンドを調査したうえで、自社の部品に求められる要望がどのように変化するかを検討する事例が多いように見受けられる。この時、いくつかの先進的な部品メーカーでは、さらに広い領域の中長期的な外部環境の動向をメガトレンドとして整理し、企業経営の舵取りに活用している。しかしながら、未来創造活動という観点から考えると、社会の潮流をメガトレンドとして整理し、対応方針を検討するだけは不十分である。未来を創造するためには、未来を予測するだけでなく、予測した未来を深く洞察した上で、自社が取り組むべきポイントを見出し、如何に事業を創造するかを検討することが重要だ。本記事では、未来創造活動におけるメガトレンド活用の具体的な方法を示し、各プロセスにおける検討視点を解説する。

宇野 暁紀 (うの あきのり)
PwCコンサルティング合同会社
マネージャー

名古屋大学大学院生命農学研究科修了後、大手コンサルティング会社を経て現職。製造業を中心としたR&D領域のコンサルティングに従事。特に、技術戦略策定、新規事業開発、新商品企画、設計業務改革に習熟。現在までに、電機、機械、輸送機器、化学、食品などの業界におけるコンサルティングを経験。技術を活用した新規事業のビジネスデザインを支援する。主な著書に「技術を強みとした新規事業開発の教科書」など。

「メガトレンド」とは何か

 一般的にメガトレンドとは、社会やある分野における総体的な潮流を指す。多くの場合、人口動態、経済指標、気候変動、テクノロジーといったグローバル規模のデータを基に定義される。例えば、近年では、世界的な都市化の進行、地球温暖化、水資源の不足、新興国への経済力のシフトといった事象をメガトレンドと呼ぶことが多い。メガトレンドは、政府機関や多国籍企業における長期的な戦略検討においては必要不可欠な情報源となる。

 一方、個別企業においてメガトレンドを取り扱う場合、グローバル規模のデータだけでなく、自社業界や顧客の長期動向についても調査することが必要だ。自社の事業という特定分野の潮流についても、自社の未来に大きなインパクトをもたらす事象であれば、メガトレンドとして定義することができる。

 今回の記事では、部品メーカーにおけるメガトレンドとして、グローバル規模の情報から業界レベルの情報までを取り扱うことを想定する。本記事では、メガトレンドを未来創造活動の中で活用する方法を、情報収集、未来の予測、未来の洞察、という3つのstepに分けて紹介する。(図表1)

1
nextpage
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント

facebookもチェック

デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

日本のモノづくりを支えてきた部品メーカーが、デジタル大変革時代に岐路に立たされている。これまでの製品メーカーからの発注を待つ受け身の姿勢を変え、自ら未来を想像する発想の転換と実行態勢の構築が求められるが、具体的な方法論が見いだせない。この状況を打破するためのヒントを提供する。

「デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道」

⇒バックナンバー一覧