不動産を高値で売却する方法[2018年]
2018年8月7日公開(2018年8月9日更新)
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ザイ・オンライン編集部

高値で「家」や「マンション」の早期売却を実現する
情報収集術&オンライン査定サイトの活用法を公開!

家やマンションの売却は、売出価格を決めるころから始まるが、そのためにどんな情報収集をして、価格査定すればいいのだろうか? 土地、建物の査定方法や、最近話題のオンライン価格査定サイトの活用の仕方などを解説した。

戸建てとマンションで異なる、売却価格の計算方法

 不動産仲介会社の提示する査定価格は、価格の相場を正しく反映しているとは限らない。なかには、媒介契約を勝ち取るためにわざと高く査定したり、すぐに売上が立つように低く査定したりするところもあるからだ。

 査定価格が適正かどうかを判断するためには、売主のほうでも相場を調べておく必要がある。もし相場と査定価格の差が大きければ、不動産仲介会社に理由をたずね、納得のいく説明がなされるかを確認したい。

 とはいえ、自分で相場を調べるには、多少の知識がいる。まず知っておきたいのは、戸建てとマンションでは、評価基準に違いがある点だ。

戸建てとマンションの評価基準の違い】
(1)戸建ての評価基準=「土地価格」+「築年数に応じた建物価格
(2)マンションの評価基準=「市場価格


 評価基準に違いがあるということは、戸建てとマンションで相場の調べ方が違うということ。まずは戸建ての「土地価格」の調べ方について見ていこう。

戸建ての「土地価格」は、「路線価」をもとに計算

 土地価格を算出するための、いわば”単価”は一つではない。いくつか種類がある。一般の土地取引の指標とされるのが「公示地価」。相続税や贈与税の計算のもとになる「路線価(相続税路線価)」。このほか、固定資産税や不動産取得税の計算に用いられる「固定資産税評価額」などがある。「公示地価」の土地価格に対して、「路線価」はその8割程度、「固定資産税評価額」は7割程度の価格となっている。

◆主な公的地価の特徴
価格の種類 公表元 特徴
公示地価 国土交通省 一般の土地取引における価格の指標となり、適正な地価形成を目的として、毎年1月1日を基準日として、3月下旬頃に公示される
路線価
(相続税路線価)
国税庁 相続税にかかる課税標準額を求めるために、毎年7月1日を基準日として公示される
固定資産税評価額 市町村 市町村等が固定資産税の課税標準額のベースとなる評価額を決めるために、3年に1回、1月1日を基準日として公示される

 前記のとおり、土地取引の指標となるのは「公示地価」だが、地価がつけられているのは、全国の代表的な26,000地点(平成30年)に限られる。

 これに対して「路線価」は全国の市街地をほぼ全域網羅している。こうした事情から、「実勢価格」(=実際に売買される価格の相場)の算出には、「路線価」を用いるのが一般的だ。

 具体的には、次の計算式で求める。

【実勢価格の求め方】
◆実勢価格=路線価÷80%×110%


 計算式の「路線価÷80%」の部分は、路線価を公示地価に換算するためのもの。また、一般に実勢価格のほうが公示地価よりも1割程度高いため、ここでは110%(※)を掛けた。(※超都心では300%、一部地方では50%という場合もありえる)

路線価の調査は、オンライン上で行える

 では、路線価そのものはどのように調べればいいのだろうか。下記のようにインターネットの使える環境にあれば、誰でも簡単に調べることができる。

【路線価の調べ方】
(1)
国税庁のホームページや、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップにアクセスする。
(2)売却する物件の住所を含む「路線価図」を探して、対象となる土地の路線価を見つける。
※路線価図は各地の税務署に出向いても調べられる。


 (2)について補足すると、下図のような地図が表示されるので、売却対象となる土地に面して表示されている数字(ここでは350D)をチェックする。この数字が、1㎡あたりの土地の路線価(単位は千円)、このケースでは35万円となる。

路線価図

 路線価が判明したら、前出の実勢価格の計算式「路線価÷80%×110%」にあてはめ、その結果に土地面積を掛ければ、土地の広さに応じた価格相場を知ることができる。

 「算出結果の裏を取りたい場合は、国土交通省の土地総合情報システムにアクセスして、過去の類似物件の取引価格を調べてみるといいでしょう。不動産取引の結果がすべて掲載されているわけではありませんが、目安としては十分です」(価値住宅株式会社・高橋正典氏)

 ただし、同じ路線価でも、土地の形が三角形やL字型になっているなど、不整形地の場合、多少評価が下がる。逆に角地であれば、評価は上がる。

 このように土地の個別的要因によっても、評価は違ってくる。そのため、不動産仲介会社の査定を軽視するわけではなく、前記したようにその根拠を確認することが大切だ。その際の基準となるのが、売主自身が調べた実勢価格にもとづく相場観となる。

戸建ての「建物価格」は、「再調達価格」と「築年数」がポイント

 一方、戸建ての「建物価格」については、「再調達価格」をベースに算出する。「再調達価格」とは、売却予定の建物を、同じ規模や仕様で新築した場合にかかる費用のことだ。計算式は以下のようになる。

【再調達価格の求め方】
再調達価格=建物の構造別の1㎡あたりの基準単価×延床面積


「建物の構造別の1㎡あたりの基準単価」は、不動産仲介会社や銀行によってまちまちだが、下記の表のとおり、木造住宅であれば15万円前後としているところが多い。

 また、再調達価格は新築(再築)を前提としているため、現在の建物価格に換算する場合は、経年劣化した分を割り引いて考える必要がある。建物の構造によって、「価値がゼロになる年数」=「法定耐用年数」は決まっていて、まとめると次のようになる。

建物の構造 1㎡あたりの
基準単価の目安
法定耐用年数
鉄筋コンクリート造(RC) 20万円/㎡ 47年
重量鉄骨造 18万円/㎡ 34年
木造 15万円/㎡ 22年
軽量鉄骨造 15万円/㎡ 19年or27年 ※鉄骨の厚みによる

 具体例で見てみよう。築15年、再調達価格2000万円の木造住宅の場合、すでに15年分の価値は消費したものと考える。つまり、「22年-15年=7年」ぶんの価値だけ残っているものとして、下記の計算式で現在の建物価格を割り出す。

【建物価格の求め方】
◆建物価格=再調達価格×[(耐用年数-経過年数)÷耐用年数]


 前記の例に沿えば、建物価格は

 2000万円×{(22年-15年)÷22年}=約636万円

 となる。

 ただし、この価格には、建物の個別的要因は考慮されていない。現実の内外装の傷み具合や設備の様子、瑕疵保険への加入の有無などによって、価格は上下することになる。

マンション価格の調査は、オンライン査定サイトを使い倒す!

 次にマンションの価格相場を見てみよう。こちらは冒頭で触れたように、「市場価格」によって決まってくる。

 もっとも身近な情報源は、「スーモ(SUUMO)」や「ライフルホームズ(LIFULL HOME’S)」などの大手不動産検索ポータルサイトだ。近隣エリアの類似物件を検索して、その一つひとつをチェックしていく。

 また、意外に役立つのが「オンライン査定サイト」だ。後述するように、本来は自分の氏名等を登録し、不動産仲介会社選びに利用するものだが、情報源として活用できるサイトもある。ここでは、マンションの情報に特化している「マンションナビ」のサイトを例に見ていこう。

 マンションナビでは、一般のオンライン査定サイトと同様に、個人情報を入力して無料査定を依頼できるのはもちろんのこと、マンション名を入力するだけで「売却予想価格」「賃貸に出した場合の賃料や利回り」「当該物件の過去の売却実績(年度別の件数と価格帯)」といった情報が表示されるようになっている。

 さらにメールアドレスを入力して、無料メンバーに登録すると(査定の依頼は不要)、「当該物件の売却・賃貸事例」「近隣マンション(総戸数±30%の範囲内、築年数5年以内、半径1キロ以内)の売却事例」も閲覧できるほか、住戸の専有面積や階数、部屋の向きなど、条件が違った場合の価格の動きも調べられるようになっている。

 また、マンションナビの別ページでは、都内に限定されるが、各鉄道沿線の駅ごとに「間取り別」「面積別」の1㎡あたりの単価も閲覧できるようになっている。直接の競合物件となりやすい、最寄り駅前後1駅の価格相場を知るうえで役立つだろう。

 ただし、こうしたサイトで扱う物件情報には限りがあり、また表示される価格は、実際に取引された「成約価格」ではなく、「売出価格」がベースになっていることが多い。成約価格を知りたければ、不動産仲介会社に価格査定を依頼し、査定価格とは別に、「レインズ(REINS)」のデータを調べてもらえば間違いないだろう。

(※関連情報はコチラ!)
⇒家を高値で売りたいのなら、絶対に知っておきたい「売主のためのレインズ活用法」 売主が損しても分かりにくい仕組みなので注意を!

物件チラシも貴重な情報源

 情報量では、インターネットに敵わないが、新聞の折り込みチラシ等も大切な情報源の一つだ。売出価格はもちろんのこと、キャッチコピーなどから競合物件がどんな点を”ウリ”にしているかも掴むことができる。

 また、日頃からチラシをこまめにストックしておき、1㎡あたりの単価を割り出しておけば、ここ数カ月間の価格の動きも、おぼろげながら見えてくるだろう。

 注意したいのは、「あなたと同じマンションの部屋が○○○万円で売れました!」などと謳ったポスティングチラシ。価格相場とかけ離れた”騙し”のケースが少なくないからだ。

 いずれにせよ、戸建てにしてもマンションにしても、家の売却は持っている情報の質や量の違いで、結果に大きな差が出る。不動産仲介会社からすれば、「人のいい売主」よりも「口うるさい売主」に力を入れるのが現実だ。戦略の違いで、売却価格が数百万円単位で変わってくることを肝に銘じておこう。

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<不動産売却の基礎編>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

マンションを高く売る方法はこちら!" ここが変だよ日本の不動産取引はこちら! 不動産一括査定サイトおすすめ比較はこちら!不動産を高値で売却する方法トップページへ
■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
不動産一括査定サイト「LIFULL HOME'S」の公式サイトはこちら
◆スマイスター(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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