『週刊ダイヤモンド』2018年8月11・18日合併特大号の第一特集は「2018年版 決算書100本ノック!」。特集の発売に合わせた特設サイトでは過去の財務特集の人気記事や漫画などを無料で公開。今回は2017年9月9日号「決算書100本ノック!(昨年版)」から、「実は不良債権問題よりも解決困難 銀行の“爆弾”はBSからPLへ」を紹介。銀行の独特な決算書の読み解き方と、地銀105行の本業収益力ワーストランキングをお伝えする。(掲載される数字や情報は全て雑誌発売時点のもの。銀行の最新版強弱マップは「2018年版 決算書100本ノック!」に掲載されている)

地銀の決算書

「脅威は、バランスシートの健全性からPLにおける収益性の問題に移行した」

 2017年7月、銀行の監督官庁である金融庁のトップを務める森信親長官は、居並ぶ銀行の頭取たちを前に断言した。さらに、「従来の銀行業のビジネスモデルが成り立ちにくくなってきた」と、危機感をあらわにした言葉を続けた。

 バランスシート(BS)とは貸借対照表、PLとは損益計算書のことだが、銀行業界にとっての脅威がBSからPLに移ったとはどういうことなのだろうか。

 その謎を解き明かす前に、“カルチャーショック”で決算書を閉じてしまうといけないので、まずは銀行の少し変わった決算書に目と頭を慣らしておこう。