人見知りがひどくても
自分から「あいさつ」をしてみた

Yumi:その後はトントン拍子に?

伊藤:いえいえ、そんなうまいことはなくて。そこからは孤独との戦いでした。「自分は世の中に必要とされていないんじゃないかな」と思ったり、ぼーっと上を向いて「空ってこんな高いんだなあ」と、しみじみ考えたりしていました。

Yumi:それで?

伊藤:はい、1ヵ月くらいたったころに、自分から声をかけてみることにしたんです。朝だったら「おはようございます」、夕方だったら「おつかれさまです」「こんばんは」とか。

Yumi:自分から、あいさつをしたんですね。人に声をかけるのは、得意な方だったんですか?

伊藤:とんでもないです!内気で、小学校、中学校では目立たない存在で、学校を休んでも気づかれないような生徒だったんですよ。いわゆる人見知りがひどくて。

Yumi:そういう性格だったら、あいさつするのもすごくハードルが高そうですね。だって、みんながあいさつを返してくれるわけではないですよね?

伊藤:はい、もちろん、普通はスルーですよね(笑)僕にとっては、あいさつをするのは、すごく勇気が必要でした。でもそうやって、自分をさらけ出さなきゃいけないって思ったんですよ。

そして、それを続けているうちに、お互いあいさつもなく、だまっている空間にいるよりは、自分から声を掛けたほうが気持ちがいいってことがわかってきたんです。

それがわかってきたら、足を止めて、話かけてくれる人がちらほら出てきたんですよね。「何やってるの?」とか「いつもいますよね」とか。

Yumi:私の本にも書きましたが、あいさつってコミュニケーションの第一歩ですよね。

伊藤:はい。そうやって、いろんな人と知り合いになっていったんですが、その出会いから、今の活動へとつながっていくんです。

(第2回へ続く)

伊藤潤一さん対談【1】<br />三重県の小さな駅前の路上から<br />国際的に活躍する書家へYumi
年間約150本以上、動員数で言えば年間30万人以上の韓国関連イベントのMCなどを務める。歯科衛生士、裁判所の法廷通訳、北新地でバー経営という異色の経歴を持つ。関西でラジオDJ、テレビのリポーターやMCなどを経験後、韓流ブームと共に、イメケン揃いのスターのMC、通訳などを担当、女性ファンから慕われている。また語学スクール『ウリアカデミー』にて韓国語講師をつとめ、自身のトークライブ「Yumiサロン」を不定期に開催(次回は9/4に開催)、歌やドラムなどマルチに活躍。著書に『初対面でも盛り上がる! Yumi式会話力で愛される29のルール』他 ツイッター @Yumi_nuna