>>(上)より続く

 Cさんは肯定も否定もせずお茶を濁していたが、囲いの1人がCさんの彼氏持ちを確信し、出会いを諦めたやけくそから激怒して「これまでしょうもないブサイクな女に付き合わされて時間を損した。願わくば不幸になれ」といった内容の中傷をCさんに投げつけた。

「本当にショックでした。身から出たサビとはいえ、それまで仲良かった人にあそこまでひどいことを言われるとは思っていませんでしたから。それだけ傷つけたことは申し訳なかったですが、『こっちだってそこまで言われる筋合いはない!』というのが本音です」(Cさん)

 CさんはTwitterをやめる決心をした。しかし、もはややめても困ることはなかった。Cさんの承認欲求は、囲いの男性ユーザーたちの代わりに彼氏が満たしてくれていたのであった。

全てが“承認欲求”で片付くわけではない
自撮りアップが持つ意味

 しかしCさんのように、承認欲求が満たされたから自撮りをやめる人ばかりでもない。

 Dさん(25歳女性)はメイド喫茶で働くメイドであった。店のホームページにはメイドたちが更新するブログが設置されていて、そこにそれぞれが集合写真や他のメイドとの2ショット画像、自撮り画像を上げていた。Dさんも同様にそのブログを更新していく中で「自分の画像をアップすることへの抵抗は薄れて、いつしか当たり前になっていった」と語る。

 Dさんはその店の中で「指折りのかわいさを誇るメイドさん」と評判で、そうした評価に触れていく中で自分の容姿に対する自信を深めていった。

「(ブログだけでなく他のSNSに画像をよくアップしていた)当時は特に何も考えていなかったけれども、こうしてインタビューされて自分を振り返ってみると、『私ってかわいいよね!』という気持ちは当然あったというのがわかりました。ちやほやされるのが当たり前の環境にいて調子に乗っていたというのも大いにあるでしょう」(Dさん)

 Dさんが語った画像をアップする動機は、ここまでは “承認欲求”に区分できるものだが、どうやらそれだけではないらしいということがわかった。