職場の人間関係を変えるには?

「仕事を面白くする」ための最後のキーワードが、お互いに「おめでとう!」って言い合える環境をつくることです。つまり仕事をする周辺に、本心から褒め讃え合えるような“いい人間関係”をつくるということです。

 これには科学的な裏付けがあります。

「動機づけ衛生理論」で有名なフレデリック・ハーズバーグというアメリカの臨床心理学者は、仕事における「満足要因」と「不満足要因」を徹底的に調査しています。その調査では「成長性」とか、「承認」とか、「達成感」「充実感」「やりがい」など、さまざまな要因が抽出されました。

 後年、日本を中心としたアジア圏で実施した別の調査結果では、欧米とアジア圏で、大きな違いが出た部分があります。それは、まさしく「人間関係」だったのです。

 欧米では、人間関係は「不満足要因」ではあるけれど、「満足要因」には関係ありませんでした。その一方で、アジア圏では人間関係が「満足要因」の大きな部分を占めることがわかったのです。

 つまり日本の職場では、人間関係がよくならないと、満足できない。いくらいい仕事をやっていても、「仕事が面白く」ならないこともある、ということなのです。

 だから「会社を辞めたい」という若い人の声を聞くと、やはり人間関係に問題があることが多いのです。

 つまり「イヤな上司がいる」などの不満が先に立ってしまって、その他の「仕事が面白くなる要素」に目がいかなくなってしまうのです。

 けれども、問題が上司の側ばかりにあるかというと、必ずしもそうとは言えません。