「空気が読めない人」は、
感謝される仕事ができない

 今回は、第4回『「ありがとう」と言ってもらえる仕事』ができるようになるには、どうしたらいいのかということに対するヒントです。

 そもそもなぜ人は、「ありがとう」と言ってもらえると嬉しくなるのでしょうか?

 それは“感謝される”ということは、自分の行った行動が「承認される」ということを意味するからです。承認されるためには、人の期待に応え、その役割を達成することが必要です。

 だからまずは「自分が何を期待されているのか」という、役割を認識することが“喜ばれる仕事”をするための第一歩となります。

 1つの例を紹介しましょう。

 それは、とある地方の有名な動物園に行ったときのことです。

 私たちはツアーバスに乗って、団体で目的地まで行くことになりました。当然、添乗員がついていたのですが、元気な若い添乗員で、とても感じのいい方でした。

 ところが、その添乗員の評価を一変させるような出来事が起こったのです。それは、サービスエリアでトイレ休憩を済ませ、バスが出発してからしばらくのことでした。

 そのとき60歳くらいの女性がすっと前に出てきて、「すみません。どこか停まるところはないですか?」と言いました。なんかそわそわしている感じだし、みんなすぐに状況を察しました。あっ、トイレに行きたくなっちゃったんだな……と。