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デジタルネイティブ企業と戦うには
その企業像の違いを知る必要がある

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第83回】 2018年8月24日
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デジタルトランスフォーメーションの本質

 さて、ここからは、DXの本質に迫りつつ、企業が今後どのような変化を受け入れ、どのような企業像を目指していかなければならないかについて考えていくこことしよう。

 その前に、現在世の中にはデジタルに関わる言葉が氾濫しているため、まずは、これらの用語についてそれぞれの意味を整理しておきたい(図2)

 「デジタライゼーション」は、デジタル化そのものを意味するものであり、またそれによって生じる現象や時代の流れを表す場合もある。単に紙ベースや手作業などのアナログな仕事をデータ化してコンピュータで処理することを「デジタイゼーション」と呼ぶが、デジタライゼーションは、企業における業務や事業だけでなく、社会や産業全体のデジタル化の動きを指す言葉としても用いられる。

 「デジタルイノベーション」とは、デジタル技術やデジタル化されたデータを活用することによって新たな価値を創出する活動や取組みを指す。イノベーションは、シュンペーターやドラッガーが指摘するように、発明や技術革新であるとは限らず、新しいモノの作り方、品質や販売方法の変革、顧客の体験や使い方を大きく変えるものであっても構わない。

 「デジタルトランスフォーメーション(DX)」はデジタル化に向けた転換を意味し、特に企業のDXは従来型の企業が業務や事業のあり方を変えて、デジタル活用を前提とした業務や事業に転換することを指す。したがって、前述のデジタルディスラプターや後述するデジタルネイティブ企業に対してDXが用いられることはあまりない。

 それぞれの用語は、「業界全体に押し寄せるデジタライゼーションの潮流に対応するために、デジタルイノベーションへの取組みを開始した。そのような取組みを通じて、全社的なデジタルトランスフォーメーションを推進する」といった文脈で使われる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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