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今さら聞けないネットセキュリティ
【第11回】 2008年3月25日
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伊藤 僑

最後のトラブルは人間の不注意、ノートパソコンは持ち歩くな!

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 金曜の夜、ノートパソコンを入れていたバッグがないことに気づいたビジネスマンだが、かなりお酒が入っていたので記憶は辿れないし、思い出そうとすることさえ面倒になってしまった。「まだローンが残ってるんだよな」と悔やむものの、もはや酔いのせいで捜しに戻る気も起きず、あきらめモードに入ってしまった。

 ところが、翌月曜に、とんでもない事態が発生する。何者かがインターネットの掲示板に、彼の勤務先と某社が、新事業の提携交渉を進めていることを書き込んでいたのだ。さらにご丁寧に、新事業の概要やスケジュール、担当者名までが記されていたのだ。

パソコンは機密書類の宝庫

 なくしたノートパソコンに、提携交渉に関する書類が収められていたのである。当然、社内はパニック状態。すでに某社からは、提携交渉の打ち切りを通告された。

 提携交渉の詳細については、社内でも限られた者しか知らされていないため、機密情報を漏らした犯人が突き止められるのも時間の問題だろう。

 こうした問題は、いつでも起こり得るものだ。

 イギリス国防省情報部と米連邦捜査局(FBI)で、それぞれ約200台ものノートパソコンが紛失していることが発覚し、大問題になったことがあった。紛失したパソコンの中には、新型兵器などの機密情報も含まれていたというからコトはでかい。パソコン紛失原因を探ってみると、タクシーやバーなどで“うっかり”置き忘れたという例が相当数あったらしい。

不注意はセキュリティシステムでも防げない

 うっかり者はなにも情報部員や捜査官だけではない。数年前、米クアルコム社の最高経営責任者(CEO)も、ホテルで講演を行った際にノートパソコンを紛失している。講演後に演壇を離れた15~20分の間に盗まれたとみられる。米クアルコム社は、携帯電話で利用されるワイヤレス通信技術「CDMA」の開発で、中心的な役割を果たした企業。同社CEOのノートパソコンの中には、価値の高い企業機密も含まれていたようだ。

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伊藤 僑

1958年生まれ。明治大学法学部法律学科卒。コンピュータ、ネットワーク関連の専門誌を中心に執筆活動を行う。


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