経営×経理

 こうした事態を未然に防ぐために、担当割りごとのリーダーと部課長らマネジャーが一堂に会し、課題・問題点が生じていないか、あるいは生じていても担当割りごとのリーダーが中心となって解決に向けて施策が講じられているか、などを検証することは必須です。このような場を設けることで、他の担当割りリーダーとも情報共有を行うことができ、類似の事態に備えることも可能でしょう。

 また、部課長らマネジャーは、シビアに現行の担当割りで機能が果たされているかどうかを見極め、適宜アドバイスしたり、必要に応じてリーダーを交代させたり、軌道修正したりすることが肝要です。

 検証を通じて改善が進めば、より良い担当割りで仕事を進めることができます。ひいては、前述した5つのチェックポイントについて、全てクリアできるようになるのです。

外部や内部の環境変化に
柔軟に対応でき得る役割分担

 社会情勢や政策、あるいは天候や人口構造といった諸々の外部環境の変化により、ほとんどの企業の内部環境にも必ず影響が及びます。それらに応じてマーケティングを見直し、顧客ターゲットや商品開発の改変などを迫られる場面もあるでしょう。こうした中では、企業内における部署のトップのみで対応できることもあるでしょうが、昨今の人員不足を背景に考えると、個の人材の潜在能力が発揮できるチームで形成された経理部隊の役割は重要です。

 私のコンサルティング活動の中でも、役割分担の見直しについてのカリキュラムがありますが、「データ分析を担当する役割が不全だったので、ポジションを設けてコスト削減・有効利用に臨みます」「人手不足を言い訳にしていましたが、担当者ごとの仕事のムラが解りました」といったように改善箇所が明確になり、自社に応じた適切な方法で役割が改編されたケースも少なくありません。

 経営陣や経理部課長の多くは、月次の経営資料のデータ推移を注視しながら、直接部門の活動ばかりに注視していたのではないでしょうか。間接部門に位置する経理部隊内の役割の機能を改編することで、個々が経営改善を意識しながら目の前の業務に当たれるようになるのです。まずは、経理部の主任にあたる方に対して、現行の体制で機能が果たされているか尋ねてみてください。明確な答えが得られない場合は、必ずやメスを入れる箇所が隠れているものです。

 本稿を参考にし、御社の将来を見据えながら、あらゆる変動に対して柔軟に対応できる強力な経理チームの構築を実現してください。

(ビジネス作家・経理環境改善コンサルタント 田村夕美子)

Special Columns


大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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