親子で「アルバム」一緒に見てますか?

写真をアルバムに収め、親子や夫婦で見る――昔に比べて減ったと思いませんか?Photo:PIXTA

「最近あまりしなくなったことにどんなことがありますか?」――筆者も含めて、電車の中で新聞を読む、映画館に行く、書店に長居する、CDやDVDを買う、カメラを使う……といったあたりではないだろうか。

 これらはたいがい個人的な行動であることが多いが、「家族や友人と一緒にすることとしては?」だったらどうだろう。

 例えば、写真集や図鑑、絵本、アルバムなどを親子で一緒に、あるいは夫婦で眺める時間がなくなったのでは?と聞かれて、「たしかに、最近全然ないなぁ」「自分が子どもの頃にはけっこうあったけど、親になってからはめったにないなぁ」といったように思う人は多いのではないだろうか。

 たしかに、インターネットが高速になり、スマホ(携帯)で得られない情報もほとんどなくなり、写真を撮ればすぐにSNSで共有できるようになれば、わざわざ写真をプリントすることはほとんどなくなるだろう。

 しかし、そのように生活スタイルが変化することで失われてしまうこともあるのではないだろうか?

 そんな疑問から出発し、「子育てと写真の関係」そして「アルバムが子育てに与える影響」をテーマに調査、研究を進めてきた大学の先生がいる。大阪教育大学教育学部の小崎恭弘准教授がそうだ。氏は「イクメン」を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの理事でもある。

 元々は、とあるインタビューで「子育てと写真の関係」についてコメントしたことがきっかけで、あるアルバムメーカーから「アルバムが子育てにどのような影響を与えるのか研究してほしい」との依頼があり、前例がなかったがゆえに、個人的な関心を持って始めたという。