豊富な業績管理機能
トップによる課題発見を支援

 TKCのクラウド型統合会計情報システム「FX4クラウド」は、年商5億〜50億円の中堅企業が抱える経営課題を解決する、さまざまな機能を搭載している。クラウドのため、インターネットを経由してTKCデータセンターに保管された自社の会計データを参照できる。24時間365日、いつでも、どこからでも利用できるため、本社の社長や部長だけでなく、支店の店長なども自店の業績を常に把握できるようになる。

 FX4クラウドは約1万1400社の中堅企業が利用しているが、その特長の一つが業績管理のしやすさだ。費用を変動費と固定費に区分する直接原価計算の手法を用いた変動損益計算書により、経営者が知りたい売上高や限界利益(粗利)、経常利益の相関関係が一目で分かる。

財務会計機能をはじめ、管理会計を支援する部門別業績管理、独自の管理資料をExcelで作成できるマネジメントレポート(MR)設計ツール、仕訳入力作業を省力化するデータ連携など便利な機能が評価されている。経営者が会計ソフトを使いこなせるよう、専門家(税理士・公認会計士)が活用をサポートしてくれるのが最大の特長だ

 また採用理由に、部門別業績管理(階層・グループ管理)を挙げる企業が多い(図1)。部門や店舗別に加え、事業部別等の階層、地域別や拠点規模別等のグループを自由に設定し、経営者が見たい範囲で業績を管理できる。「思うように儲けが出ないといった問題のある部門や店舗を見つけ、改善策を講じることで、企業の黒字化を支援します」(飯塚専務)。

堀越 浩
執行役員
会計事務所事業部 システム開発研究所
次世代自計化システム設計担当部長

 愛知県で複数のネイルサロンを展開するCompassでは、FX4クラウドを各店舗に導入。店長が日々のデータ入力を行い、店舗の売上高や限界利益などを「経営者目線」で参照している。そして、部門別業績管理を用いて各ネイリストが月間どれだけ売り上げたか、原価の適正範囲を超えた材料(ジェルなど)の使い方をしていないかなどを把握し、問題を改善することで業績を上げ、黒字決算を続けているという。

 また、住宅リフォームの総研グループ プロタイムズ総合研究所は、FX4クラウドを用いて店舗の工事別に業績管理を実施。わずか4年間で年商を10倍に増やし、急成長を遂げている。

 FX4クラウドでは、24万社超の決算書データを格納しているTKC経営指標を活用し、会員会計事務所を通じて同業他社の平均業績(全企業、黒字企業、優良企業など)と比較することもできる。例えば、他社と売り上げは同規模なのに利益が少ないなど、「同業他社との比較で、自社の改善ポイントが見えてきます」と飯塚専務は説明する。