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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

ゴミ焼却場を巡り町長が次々交代、職員と裁判沙汰
町政崩壊の白浜町が望みをかける「3度目の首長選」

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第45回】 2012年5月7日
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わずか2年間で首長選挙を3度も実施
ゴミ焼却場を巡って紛糾する白浜町

 通常ならば4年に1度行なわれる首長選挙を、2年ほどの間に3度も実施する町がある。

 もちろん、住民の選挙好きが高じてというわけではない。地域課題の解決に行き詰まった町長が2代続けて任期途中で辞任し、イレギュラー選挙の連続となったからだ。いわば失敗首長による地域の混迷である。5月13日に和歌山県白浜町で町長選挙が行われる。果たして「3度目の正直」となるか。

 白浜町はゴミ焼却場の使用期間の延長をめぐって、紛糾し続けている。ゴミ焼却施設は生活する上でなくてはならない必須のものだが、一般に「迷惑施設」と捉えられている。周辺住民は環境汚染や騒音、交通量の増加などへの懸念を抱くからだ。

 積極的に受け入れる地域や住民などほとんどなく、誰もが本音では「できれば遠くに造って欲しい」と思っている。施設の必要性や安全性を充分理解していたとしても、感情は別だ。自宅のそばに建設計画が持ち上がろうものなら、「ノー」の大合唱となるのが通例だ。こうした現象は何も白浜町に限ったものではない。日本のどこにでもある話である。

 こうした住民の本音に耳を傾けながら「迷惑施設」を受け入れてもらえるように説得するのが、政治家(首長)の役割と言える。説明能力や調整能力、交渉力を発揮し、難題を丁寧に解決していかねばならない。必要不可欠な施設ができなかったら、地域全体が困り果てることになるからだ。

 辛い役回りと言えるが、権限を持つ組織のトップこそが矢面に立ってやらねばならないことだ。住民に心地よい言葉ばかりを発する今の日本の政治家が、最も不得手とする分野と言える。

 2006年3月に旧白浜町と旧日置川町が対等合併し、新白浜町となった。日本でも指折りの観光地で、町の人口は2万3206人(2012年3月末)。旧白浜町の町長が合併後の初代町長に選ばれ、新しい白浜町が船出した。今から6年ほど前になる。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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