高須クリニック院長 高須克弥氏
「男性の美容整形が、いま静かなブーム」と語る高須クリニックの高須克弥院長

 「おかげさまで、うちはいま、空前といっていいくらいの流行りぶりなんです」

 高須クリニックの高須克弥院長はこう言って顔をほころばせた。

 じつはこの不況で、お小遣いやバイト代でプチ整形するティーンや学生、フリーターは、すっかり影をひそめてしまった。あの韓国ですら、サブプライム以来、ローンが組みづらくなり、美容整形が高嶺の花となりつつあるという。

 とはいえ、ここ日本では、費用を惜しまずしっかり“お直し”する婚活女性が増えている。永久就職の決め手はやはり「顔」というわけだ。

 高須院長が「空前の流行りぶり」と胸を張る理由は、それだけではなかった。いま、“高額収入の男性たち”の間でも、美容整形が静かな人気を呼んでいるというのだ。

「かわいい男」と呼ばれたい?
美容整形クリニックが流行るワケ

 東京、横浜、名古屋、大阪の4拠点を持つ同クリニックでは、年間患者数5万人のうち、男性患者の占める割合がおよそ30%。ほとんどが大企業に勤務する20代後半~40代くらいのビジネスマンだ。

 人気ナンバーワンメニューは「ヒゲの脱毛」。料金1回10500円~の施術を5、6回ほど行なう人が多い。

 「ヒゲの剃り跡が青々と残っていると、女性から『キモい』と言われちゃう。ヨン様みたいなスベスベのお肌に憧れる男性が多いですね」と高須院長。

 毛深さはかつて男らしさの象徴だったが、今やそんな男は暑苦しい、と敬遠されるだけ。くっきりとした二重まぶたも、必ずしも流行りではない。西洋人のような顔立ちより、韓流男優のような「かわいい系」や「さわやか系」の顔を希望する男性が増えている。

 「自毛植毛」や「腹部脂肪吸引」も根強い人気だ。若々しくさっぱりとした顔と精悍なボディが、どうやらエクゼクティブ男性のお好みのよう。