プロ野球球団監督の「生え抜き率」はどれくらい?Photo:PIXTA

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦は、エース菅野智之がノーヒットノーランの快投を見せ、東京ヤクルトに勝利。ファイナルステージ進出を決めた。

 17日からはリーグ覇者の広島との日本シリーズ進出をかけた戦いが始まる。巨人はレギュラーシーズンで広島に13.5ゲームもの大差をつけられたが、短期決戦では勢いがものをいう。ヤクルトに連勝したうえエースがつけ入る隙のない好投を見せた巨人が勢いをつけたことは確実。広島との対戦が楽しみになってきた。

2度監督を務めた原辰則氏に
頼らざるを得ない巨人の窮状

 ただ、菅野が試合後「高橋監督と1日でも長く野球ができるよう最後までフル回転で頑張りたい」と語ったように、仮に広島に勝ち、その先の日本シリーズを制したとしても、高橋由伸監督は退任する。そして来季は原辰徳前監督が指揮を採ることが決定的だ。

 原氏は02年から2年、06年から10年の計12年間巨人の監督を務め、7度のリーグ優勝と3度の日本一を達成。WBCでも日本代表監督を務め、世界一に導いている。その手腕と人気は申し分なく、球団がチーム再生を託したくなる気はわかる。だが、同一球団で間を置いて3度、開幕から監督を務めたケースは過去に2人しかおらず(中日・天知俊一監督と阪神・吉田義男監督)、異例ではある。また、3年前、原氏は辞任会見で「長年監督をやらせてもらった。そろそろ潮時」と語り、すっきりとした表情を見せた。巨人はその原氏に頼るしかなかったわけだ。

「巨人の監督には生え抜きのスターでなければなれない」という不文律があるといわれる。それに従えば監督候補の人材は限られてしまうのだ。条件はピッタリだし、ファンも待望している松井秀喜氏は固辞を続けている。候補にしばしば名前が上がるのは江川卓氏だが、監督就任は実現していない。本人が固辞しているともいわれるが、ファンの間では“プロ入り時、一度阪神に入団してトレードで巨人に入った形になっていて生え抜きとはいえないからだ”という声もあるようだ。