まあ、普通に考えれば、言葉が70%くらいだろう。言葉がなければ、話の内容が伝わるわけがない……。
   は、20%くらいか。高い声と低い声では、受け手の印象も異なってくるような気がする……。
   では、残るボディーランゲージはどうだろう。電話ではボディランゲージが使えないし、ニュース番組のアナウンサーもボディは使ってない。そんなに重要度は高くないはず。10%くらいだろうか。

 大方の予想も似たようなものだった。それを聞いて含み笑いを浮かべた松橋氏が正解を披露する。

「実は、この3要素の重要度は、次のように分かれます。

・言葉……7%
・声の使い方……38%
・ボディランゲージ……55%

 これを『メラビアンの法則』と言います」

 ボディーランゲージが半分以上!? 思いもよらない結果に、会場がざわつく。今まで信じてきた「言葉」が、コミュニケーションにほとんど影響していないなんて……。

「一般的に、コミュニケーションと言えば言葉が重要だと思われています。しかし、コミュニケーションの正否を左右する要素は、ボディランゲージが半分以上、次が声の使い方。このふたつの非言語コミュニケーションで93%。言葉はわずか7%です

 そんな……。もし9割以上が非言語で決まるなら、コミュニケーション能力を高めるには、非言語の方の練習をしなければならないのでは? 今まで、しゃべりの練習ばかりしてきた自分はいったい何をしていたのだろうか……。

「言葉に頼ったコミュニケーションは<br />なぜ失敗するのか?」<br />会話力を高めるための「非言語の共通点づくり」徐々に参加者を引きこんでいく、松橋良紀氏。