部下に体験談を延々語り、ヤル気を奪う47歳熱血課長写真はイメージです Photo:PIXTA

管理職にとって、部下とのコミュニケーションはなによりも大事なこと。特に1対1のコミュニケーションは、どれくらいの時間を使って、どういう内容をどう話せばいいのか、悩む管理職は少なくありません。「管理職養成講座」21回目では、自分の考えを話し続け、途中から部下に全く響かなくなってしまった管理職の失敗事例を紹介します。(MICA COCORO代表 産業カウンラー 宮本実果)

熱く語った結果、部下をモヤモヤさせてしまう

 国内メーカー企業に勤めるFさん(男性・47歳)は、お客様相談室の課長になって5年目になるベテランです。

 お客様相談室の業務は、顧客から一方的に話をされる上に怒鳴られることもあり、ストレスを感じる職場ですが、Fさんは熱心に仕事をこなしてきました。また、仕事に対する熱い持論があり、スイッチが入ると時間を気にせず、部下に熱く語ってしまうところがあります。

 そんなF課長は、毎週水曜日の午後5時以降、部下からの相談を聞く時間にあてています。先日は、今年10月に開発部から異動してきた部下Aさん(男性・25歳)がこの1ヵ月間どう感じたかを聞いてみようと思い、声をかけました。