1位東大寺学園、2位甲陽学院――。
「大学合格力」で見る中高一貫校・高校の実力

 『週刊ダイヤモンド』5月19日号では、志望の大学に合格できる学力が身につく中高一貫校や高校はどこかを、徹底分析してお伝えする。

 分析手法としては、国公立大学の合格実績(2012年実績)で、全国の高校を比較してみた。国公立大学100校の入試偏差値と各高校の合格者数を掛け、合計した数値を、その高校の卒業生数で割った。この数値を、「国公立大学合格力」として、高い順に並べた。卒業生1人当たりの合格力の比較だ。こうして、全国比較でのベスト200校を算出し、ランキング表の形で掲載した。

 また、ここ数年、全国レベルで医学部志向が強まっているため、ランキング表には「医学部合格力」による全国順位と、東大や京大などの医学部合格者数も記載している。

 詳しいランキング結果については、ぜひ本誌を手にとってご覧いただきたいが、ここではランキング結果のポイントを紹介し、分析していこう。

 まず、上位10校を見てみよう。1位東大寺学園(奈良・合格力63.8)、2位甲陽学院(兵庫・61.8)、3位大阪星光学院(大阪・60.9)、4位灘(兵庫・57.2)、5位広島学院(広島・50.3)、6位開成(東京・49.7)、7位久留米大学附設(福岡・49.4)、8位長田(兵庫・48.9)、9位天王寺(大阪・48.6)、10位時習館(愛知・47.5)となる(合格力=国公立合格力)。

 全般的な特徴は、(1)首都圏の高校の順位が相対的に低く、その他の地域(特に関西)の高校の順位が高い、(2)ベスト20位くらいまでの上位校には、中高一貫の名門校が多い、(3)男子校が上位に多いことだ。

 (1)の理由は、地域の国公立大学にきっちりと合格者を出している高校は、それ相応に順位が上にくるためだ。

「首都圏や関西の有名私立大学ではなく、地元の国公立大学に進学したい」と考える生徒や家庭には、高校や中学の入試偏差値よりも参考になるだろう。

 (2)の理由として考えられるのは、難易度の高い国公立大学で合格するためには、センター試験で高得点を出さなければいけないということがある。

 5教科7科目の試験のため、短期間の学習では難しい。