課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

経営陣に見出される「課長」が徹底していることとは?

経営会議に同席するチャンスのつくり方

 課長クラスのマネジャーが、経営会議に同席する機会はめったにありませんが、そのチャンスをつくることができれば非常に大きなアドバンテージを手にすることができます。ですから、常に「そのチャンスはないか?」と頭の片隅にアンテナを張っておく必要があります。

 最も可能性が高いのは、直属の上司である部長が経営会議でプレゼンをするときに、同席を命じられることです。つまり、重要度の高いプロジェクトを担当できるチームにすることができれば、経営会議に同席するチャンスを獲得しやすいということ。なぜなら、部長が経営陣にプレゼンするとしても、プレゼン内容の詳細まですべてを部長が把握することは難しいからです。部長にすれば、提案を練り上げてきた現場の代表として、課長クラスのマネジャーを同席させて、経営陣からの質問に対応できるようにしたいわけです。

 ただし、それだけの理由で同席させるわけではないことに注意が必要です。部長が経営会議に同席させるのは、次の部長候補として引き立てておきたいという意図があります。ですから、経営会議への同席を命じられたときは、その重みを深く認識したうえで、慎重のうえにも慎重に準備を整える必要があります。