大宮駅埼玉県の魅力度や愛着度、自慢度はなぜ上がらないのか Photo:PIXTA

 先月、「都道府県魅力度ランキング」などを含む「地域ブランド調査2018」が民間調査会社のブランド総合研究所から発表された。都道府県魅力度ランキング2018では、茨城・栃木・群馬の北関東三県とともに、ワースト5に沈んだのが埼玉県だ。昨年の44位から1ランクアップして43位になったものの、5位の神奈川や16位の千葉に大きく水をあけられている。

 埼玉県の人口は732万人超と全都道府県で5番目に多く(埼玉県庁、2018年10月1日時点の推計)、人口増加率は0.28%と東京都の0.73%に次ぐ2位だ(総務省、2017年10月1日時点)。東京のベッドタウンとして交通の便もよく、大宮のような全国屈指のターミナル駅を持つ街もある。それにもかかわらず、一体なぜ埼玉県は魅力度の面でなかなか評価が上がらないのだろうか。

他己評価も自己評価も低い埼玉
愛着度46位、自慢度47位のワケ

 地域ブランド調査は、47都道府県と国内1000の市区町村を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全84項目に対して全国の消費者3万24人から有効回答を得たもの。毎年、出身者以外の外部からの評価項目を集めた「魅力度ランキング」にばかり大きな注目が集まるが、実は出身者が内部から地元を評価した、都道府県や市区町村への「愛着度(地域への思い入れ)ランキング」や「自慢度(地域の誇りなど)ランキング」も発表している。

 では2018年の埼玉県の愛着度や自慢度はどのような結果だったのか。愛着度については昨年の最下位を脱出したものの46位。自慢度に関しては前年同様の47位と最下位だった。

 愛着度や自慢度に関する調査では、出身の都道府県の誇れる点をさまざまな項目で尋ねている。例えば、出身地域で誇れるポイントとして全調査対象者の48.7%が挙げた項目「海・山・川・湖などの自然が豊かなこと」では埼玉県は44位、33.6%が挙げた「食事がおいしいこと」については46位に沈んだ。

 これは魅力度をアップさせる指標とも共通の要素で、外部からの印象を問う地域のイメージ・資源評価指標でも「海・山・川・湖などの自然が豊か」の項目で埼玉県は45位、「食事がおいしい」ではなんと最下位の47位だった。つまり、埼玉県は魅力度や愛着度・自慢度をアップさせる非常に大きな要素である「自然の豊かさ」「食事のおいしさ」で、高い評価を得られていないことが、各ランキングで下位になってしまう理由のようだ。