米ドル/円の方向感がなかなか出ません。

 この原因の1つには、鳩山政権が90円割れとなる円高・米ドル安の「阻止策」を続けているということもあるのでしょう。

 3月15日(月)の一部報道で、郵政民営化後に誕生した「ゆうちょ銀行」が、昨年10~12月期に3000億円の米国債を購入していたと報じられました。

 この件については、「円高阻止を目的とした、日本政府の代理介入では?」という思惑が市場関係者の間で広まっているようです。

 ここで重要なことは、ゆうちょ銀行の3000億円にのぼる米国債購入が、10~12月の間のいつだったかということです。

 普通に考えたら、これは10月か12月のことであって、11月の可能性はまずないと思います。

 日本からの外国債券投資は、財務省が公表している資料で確認できます。

 それを見ると、最近の外国債券投資で「買い越し」になったのは昨年10月と12月だけだったのです。11月は「売り越し」でした。

 そうなると、ゆうちょ銀行は、10月と12月に分散して3000億円の米国債を購入したということになりそうですが、果たしてそうなのでしょうか?

 そうではなくて、11月末から12月初めにかけて、まとめて米国債購入のための米ドル買いに動いた可能性というのは、考えられないでしょうか?

ちょうどアノ日に行われた
斉藤社長の発言にヒントが…

 「天下り」と批判される中で、民主党政権の指名によって、財務省の元事務次官である斎藤次郎氏が日本郵政社長に就任したのは、昨年10月末のことでした。

 その斎藤社長は、昨年11月末に行われた記者会見で、ゆうちょ銀行の資産運用のうち8割が国内債となっている「高すぎる国内債依存」について、「良くないと思う」と語ったのです。

 実は、この発言があったちょうどその日に、「ドバイ・ショック」の影響などで円高・米ドル安が進み、米ドル/円は一時84円台をつけていました。

 以上、これらのことを総合すると、鳩山政権の円高懸念の意向をくむ格好で、ゆうちょ銀行が国内債偏重の資産構成見直しの名目のもと、85円前後で米国債購入のために、約30億ドルの米ドル買い・円売り「代理介入」に動いたという思惑は描きやすいでしょう。

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