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企業のIT投資は人材確保と教育にシフトしている
――ITR「IT投資動向調査2019」の結果を見る

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第86回】 2018年11月16日
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 ITベンダーや異業種、同業他社など、採用するスタッフのキャリアも多様化しており、一定の経験を積んだ人材を獲得してIT組織を強化しようとする動きは、多くの企業において一般化しつつあることも見てとれた。

 それでは、企業はどこから中途採用の人材を集めようとしているのであろうか。ITベンダー/システムインテグレーターを除いた企業で、過去3年間でIT部門に中途採用した企業(1158社)において、採用した人材のキャリア(出身企業)を見ると、ITベンダー出身者が約6割となっている(図6)

 ITベンダーからユーザー企業のIT部門およびデジタル推進部門への転職という1つの流れができつつあると考えられる。

 以前は、特に大手ユーザー企業の採用は新卒重視であり、IT専門職という形ではなく、総合職・一般職として採用した人材をIT部門に配属するという形態が多かったのではないだろうか。中には、製造業の技術職や商社などの営業職を希望して就職したにもかかわらず、何らかの巡り合わせで心ならずもIT部門に配属になったという人材も少なくないのではないか。

 これからは、ITベンダーから百戦錬磨の技術者がユーザー企業にどんどん入ってくることが見込まれる。ユーザー企業にとっては心強いことだが、彼らの力を生かせるIT部門であるかどうかが、あらためて問われるといえる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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