あなたは、今まさに接客サービスの世界に足を踏み入れた人でしょうか? それとも、接客サービスの仕事をはじめたけれど、少し行き詰まりを感じているところでしょうか? または、あなた自身はオーナーか店長でスタッフの指導育成に悩んでいるのでしょうか……。そんな方には、本連載がきっとお役に立ちます。11月7日に『これだけできれば大丈夫!すぐ使える!接客1年生』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の七條千恵美さんは、元JALのカリスマ教官。七條さんいわく、接客の本質とは「あなたを大切に想っています」「感謝しています」「歓迎しています」「敬意を持っています」という想いを感じていただくこと。お客さまの「イラッ」「モヤッ」をなくすこと。それが、接客の基本中のキホン。お客さまに信頼され、リピーターが増える接客のキホンをやさしく解説する連載です。

レジで床に落とした商品を、<br />戸惑うことなく袋に入れていませんか?

床に落としたパンを無言で袋に入れられたら?

「接客」とひとことでまとめても、その仕事内容は色々とありますね。

 会計で金銭の授受だけをする職種もあれば、販売した商品の袋詰めをする仕事もあるでしょう。

 もしあなたの仕事が、会計レジや袋詰めとは無縁だったとしても、今回は「お客さまがお買い上げになった商品」というものについて考える機会にしてください。

 以前、このようなことがありました。コンビニエンスストアのレジでのことです。スタッフの男性が会計を済ませ、私の買った商品を袋に詰めようとしました。

 そのとき、彼は手をすべらせてしまい、商品のひとつであったパンを床に落としてしまいました。

 すると彼はすぐさまそれを無言で拾い、戸惑うことなく袋に入れたのです。私の見ている目の前で全く躊躇することなくです(笑)。

レジで床に落とした商品を、<br />戸惑うことなく袋に入れていませんか?

「今、そのパン床に落としましたよね?」

 と思わず言ってしまいました。

 もちろん、パンは袋に入ったものでしたので、直接中身が床に触れたわけではありません。

 しかし、そうは言っても食品です。そして、それは私がお金を払った商品です。

 あなたがお客さまだったらどのように感じますか?

 また、あなたがこのレジのスタッフならば、どうしましたか?