楽天会員という顧客基盤を持つ強みを生かし、ネット証券首位のSBI証券を追う楽天証券。楠雄治社長に今後の成長戦略を聞いた。

楠 雄治(楽天証券社長)Photo by Kazutoshi Sumitomo

──足元のネット証券大手5社の業績(今年4~9月期)を見ると、楽天証券とSBI証券が純利益で前年同期比2桁増と好調です。

 大手5社の間で企業体力の差が徐々に広がっています。それが、株式取引手数料水準の低さ、商品数やサービスの充実につながり、業績の明暗を分けています。

 今のネット証券の状況は、(かつてホンダとヤマハ発動機が二輪車販売で激しく争った)HY戦争と似ています。業界1位のSBI証券と2位の当社が熾烈に争うことで、3位以下との差はさらに広がっていくでしょう。

 とはいえ、当社はネット証券というカテゴリーにとどまるつもりはありません。IFA(独立系金融アドバイザー)による対面販売に注力し、さらにグループ内の連携を強め、楽天会員の資産形成プラットホームとなることを目指していきます。

──今年10月でIFAの取り組みから10年がたちました。

 当社が契約しているIFAの数は80社以上、約1000人に上ります。IFA経由の顧客口座数、預かり資産残高共に前年比約3割増で成長しています。