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週刊・上杉隆

ヒラリーも無視できないユーチューブは米大統領選の“真の勝利者”

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第15回】 2008年1月31日
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 28日、ブッシュ大統領の最後の一般教書演説が行われた。現職米大統領の重要なスピーチにもかかわらず、全米の関心はあまり高くないようだ。メディアの視点は、概して大統領キャンペーンに向かっている。大統領選挙報道と比して、ブッシュ氏のあまりに見事なレームダッグ状態に、半ば驚きを禁じえない。

 ここ数週間、筆者の自宅のテレビのチャンネルはCNNに固定されたままだ。これほど米国のニュースを見続けているのは「ニューヨークタイムズ」で働いていた以来のことではないか。幸いなことに当時と違って、ブッシュ氏の顔がテレビ画面を占領することは多くはない。あらゆる価値観をぶつけ合う今回の大統領レースは、他の政治報道はもちろん、どんなテレビドラマよりも白熱しているように感じる。全米のテレビ局にとっても、大統領選挙の多様性が増したことは、高視聴率をもたらす好材料となっているだろう。

政治の世界で完全に
市民権を得たユーチューブ

 今週から来週にかけて、米大統領レースは前半の大きなヤマ場を迎える。全米22州で予備選等が行われるスーパーチューズデーを前に、それぞれ30日に共和党、31日に民主党の討論会が開催される。CNNを初め全米のテレビ局は、スター記者や有名キャスターを投入して、4年に一度の大イベントに花を添える。

 これからしばらくの間は、NFLのスーパーボール中継には及ばないまでも、全米の何千万人がこの政治ショーに釘付けになるだろう。そしてそれはテレビだけに限らない。

 前回の選挙では想像だにできなかったひとつのメディアが台頭し、選挙報道と選挙そのものに大いなる影響を及ぼし始めている。

 その新参メディア、ユーチューブは、いまや政治に欠かせないツールとなった。

 今回の大統領選での討論のほとんどはユーチューブで視聴可能だ。この無料動画公開サイトは、あっという間に政治の世界に入り込んだ。登場当初は、著作権等の関係で目の敵にされていたユーチューブだが、いまや、米国ではすっかり市民権を得ている。

 昨年11月、CNNは、そのユーチューブとの共催で大統領討論会を開いた。一般市民からの投稿動画によって、直接大統領候補に質問を投げるという新しい試みは、メディアの選挙報道のスタイル変更を強烈に印象付けた。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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