ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ
【第3回】 2012年5月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所

あなたは何回引っ越して
どこに定住しますか?
年齢別、エリア別…東京23区で定住者の多い街はここ

1
nextpage

 昨年東京都が実施した「都民生活に関する世論調査」によると、「今住んでいる地域に今後もずっと住みたい」という23区民は77%。エリア別にみても、押しなべて高い定住意向が示されている。では、実態はどうか。今回は、国勢調査のデータを見ながら「定住」と「移住」にスポットを当てて地区ごとの特性を見て行こう。

住みにくかった? 憧れの街

 「生まれてから一度も引っ越しをしたことがない」。究極の定住者ではあるが、東京23区に住む20歳以上の人の中に5%しかいない。少しハードルを下げて、20年以上現在の場所に住み続けている人(以下、「20年以上の定住者」と呼ぶ)は36%。ほぼ3人に1人だから、上述した8割近い定住意向との差は大きい。住み続けたいとは思っても、そう簡単ではないのが現実のようだ。

 20年以上の定住者の割合がいちばん高いのは台東区。以下、葛飾区、足立区、北区、墨田区と下町が続く。「生まれも育ちも葛飾柴又」が謳い文句の寅さんは、住所不定のフーテン暮らしながら、心の中はいつも下町の人たちと繋がっている。下町人情と定住性。この2つの間には、切っても切れない関係がある。

 一方、低い方は中央区、港区、世田谷区、目黒区、千代田区の順。都心3区が顔を揃えているが、ここには人口急増の影響がある。例えば中央区は、過去10年間の人口増加率が69%。港区、千代田区も3割前後の伸びだ。だから、居住期間が短い人が多くなるのも無理はない。ところが、世田谷区と目黒区の人口増加率は、23区の中では低い方に入る。にもかかわらず定住者が少ない。世田谷、目黒というとリッチな山の手の代表選手だが、憧れの街は意外と住みにくいのかもしれない。

【図1】20年以上の定住者の割合 2010年  資料:総務省統計局「国勢調査」より作成拡大画像表示

 

次のページ>> 現代版「孟母三遷」
1
nextpage
特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
underline

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

「国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ」

⇒バックナンバー一覧