桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

女の子の学力は「どういう集団に属しているか」でほぼ決まる

友だちとの人間関係の中で成長する

 今「オキシトシン」というホルモンが注目されています。女性の出産過程に深く関わるホルモンで、人を愛したり集団の和を保つことに寄与しています。男性にも分泌されますが、圧倒的に女性に多いホルモンです。

 このホルモンの影響を持ち出すまでもなく、女の子は幼い頃から集団を大切にする傾向が強く見て取れます。「俺は俺」の男の子と違って、女の子は人間関係の中で周囲とのバランスを取りながら成長していきます。小学生の段階からすでに、友だちグループの中で自分の居場所やキャラクターをつくり、それを守ろうとするのです。

 そのため、集団からはじかれることをひどく恐れます。また、自分の感情や欲求は周囲に合わせてある程度押し殺し、集団の価値観で物事を判断していきます。

 だから、女の子にとって「どういう集団に属しているか」が重要になってきます。その集団が、直接的に本人の成長に関わってくるからです。両親もそれをわかっているからこそ、女の子をどういう学校に進学させるかについて心を砕くわけでしょう。

 私個人の見解を述べれば、学校選びなど女の子を取り巻く環境づくりでギャンブルはご法度。なるべく、その子の特性に合った人間関係を用意してあげるべきです。

 そして、ここでも親子間の信頼関係が不可欠になります。本心から語り合える信頼関係がなければ、本当は国立大医学部を目指して頑張りたい女の子をお嬢様エスカレーター校に進学させたり、逆に、本人が望んでいない厳しい環境を用意してドロップアウトさせてしまったりという結果につながりかねません。

 一方、万が一「この環境は合わない」ということになったとしても、親子の信頼関係さえ構築されていれば子どもは守れます。とくに、最も信頼している母親との関係が良好であれば、女の子はなんでも話してくれますので、そこから、また違うルートを探っていけばいいのです。