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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の16「嘘をつくということは呪われた不徳だ」
(エセー・モンテーニュ)
謝罪会見に臨んで、誠意を伝えるには

江上 剛 [作家]
【第16回】 2012年5月22日
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 東京電力の西澤俊夫社長が、電気料金の値上げは電力会社の権利だ、と言い、批判された。

 あの東京電力という会社は、記者会見をすればするほど評判を落としている。言っちゃ悪いが、社長が醸し出す雰囲気がなんとなく傲慢なのだ。あの表情、あの目つきがふてぶてしい。まわり中、批判、非難の人々に囲まれているという謙虚さがない。

 人の顔つき、体つきは生来のものでどうしようもないとは言うものの、謝罪会見などでは、少し考えた方がいい。だから言わんこっちゃない。西澤社長は退任させられ、廣瀬直己常務が新しい社長に就任することになったではないか。

 あの人の言葉には嘘はない、あの人は誠実だと思われるようなオーラを発してこそ、謝罪会見は成功する。

 ところがニヤニヤしたり、表情に妙に余裕を持たせたりしていると、あの態度はなんだと怒りを買い、せっかくの謝罪がかえって批判を浴びる。

謝罪会見の経験だけはギネス級

 私は自慢(?)できることが一つだけある。不謹慎だが、謝罪会見の経験だけはギネス級だということだ。

 第一勧銀の総会屋事件やそれに先立つ総会屋への融資事件など、これでもか、これでもかというほど謝罪会見を実施した。この時は、司会であったり、裏方であったりで、実際の会見の場には、当時の役員やトップに立ってもらった。また事件後の株主総会も指揮した。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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