「なぜ、あの人はすぐに正解を導けるのか?」「なぜ、あの人は失敗をしないのか?」「なぜ、あの人はやりたいことを実現しているのか?」――とびぬけて頭のいい人は、「迷いのない判断基準」と「瞬時に対応する問題解決能力」を持っています。その2つの能力を普通の人でも使えるスキルとしてまとめた、新刊MENSA、ISI、HELLIQに所属する天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」から、天才の思考法を紹介していきます。

「質」にこだわらないと「量」が活きない

「質より量」という言葉がありますが、私は「量より質」をとります。

 たしかに、量や回数などの「数字」は客観的な判断材料にはなり得ますが、そこに中身がなかったら、価値があるとはいえないのではないでしょうか。

 たとえば、専門医の資格をたくさん持っている医師がいたとしても、日頃の診察にその資格がまったく活かされていなければ、真に能力が高いとはいえません。

 運動などのトレーニングでも同じです。どんなに数をこなしても、ただやみくもにやるだけで中身が伴わなければ、得られる経験も少なくなってしまいます。

 回数を重ねて順調にうまくなるためには、質にもこだわるべきです。

「時間」と「効率」を重視する

 いい結果・成果を得るためには、「時間」と「効率」がカギになると私は考えます。

 超難関の国家試験に「10年かけてやっと合格した人」と「1年で合格した人」がいたとします。一見、結果は同じですが、10年かけて合格した人は、1年で合格した人より9年分スタートが遅れています。逆に、1年で合格した人は早くスタート地点に立つことができ、その先のキャリアをもっと有効なものにできます。

 つまり、結果は同じでも中身=質が違うのです。

 成果は一定ではなく、効率を高めて時間をかけるほど成果が上がるものです。それを数式にすると、「成果=効率×時間」となります。この国家試験のケースでは、「合格」という成果は一定です。成果が同じなら、時間をかけずに早く目標に到達すべきなのです。

 この式における「効率」は、「質」に置き換えられます。時間は有限ですから、効率を考えないと、何も得られずに人生が終わってしまいます。質にこだわって、時間のかからない効率のいい勉強をすれば、目的を早く達成することができるのです。

 この、質を高めるために必要なのが、「自分の理想像を持つ」ことです。「お手本」と言い換えてもいいでしょう。

 上司や先輩、先生やお手本となる映像など、「こうなりたい」という理想の姿をイメージしながら物事を行うことで、質は一気に高まります。

 最短ルートでさらなる高みを目指すためには、「質」が必要不可欠なのです。

まとめ

凡人→量をこなすことが何より重要だと思っている
天才→質にこだわらないと量が活きないことを知っている
メリット→最短ルートで高みを目指せる