新春セールの取扱高が史上最速で100億円を突破したというアパレルECサイトのZOZOTOWN。ZOZOの前澤友作社長は私財で総額1億円の現金プレゼントをぶち上げ意気軒高だが、一部の出店者は、やや異なる気持ちで新年を迎えたようだ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

ゾゾタウン前澤社長のツイッターより前澤社長のツイッターより

「オンワード(ホールディングス、HD)の保元(道宣)社長とは何度もご飯に行く仲」「メディア先行で『撤退』という情報が流れ困惑しているのは私たちだけでなくオンワードさんも同じかと思います」「『ゾゾ離れ』いうタイトル設定に非常に違和感と悪意を感じます」――。

 昨年末に日経コンピュータが報じたオンワードHDの、アパレルECサイト「ZOZOTOWN」からの撤退方針。サイトを運営するZOZOの前澤友作社長は、年明けから私財1億円のお年玉でツイッターのフォロワーを多数獲得し絶好調の感があるが、このニュースを後追いした東洋経済オンラインの1月5日の記事に対しては、NewsPicksのコメント欄で、冒頭のように苛立ちをあらわにした。

 ZOZOは昨年12月25日、「ZOZOARIGATOメンバーシップ」と呼ばれるキャンペーンをスタート。ZOZOTOWNの利用客が年間3000円、または月500円を支払えば、購入額の10%が月最大で5万円割引になる。割引の原資はZOZOが負担する。

 利用客が割引額を日本赤十字社などに寄付したり、出店者に還元することも選べる「社会貢献型の有料会員サービス」をうたう。

 オンワードHDの野澤岳徳広報課長は1月7日、本誌の取材に「当社はキャンペーンに参加しない状態での出店継続を望んだが、ZOZOからは、参加するか退店の二択という話があったので、12月25日に販売を停止し、現在退店の準備を進めている」と答えた。退店、すなわち撤退はすでに社の方針として決定しているとした上で、理由について「恒常的な値下げにより、当社のブランド価値が毀損される危険性が高い」と説明した。