株を始めてしばらくすると、たいがいの個人投資家は大損をして、もう株価を見るのもいやだという状況に陥ってしまう。そして、多くの投資家は、自分は株には向いてないといって、株式市場から去ってしまうのである。

個人投資家は
なぜ株で勝てないのか

 私はそもそも株式市場は人類が発明した史上最大の賭博場だと割り切っている。短期でボロ儲けしてやろうというプロやアマがカモが来るのを虎視眈々と狙っている。そんなところに素人がのこのこやってきて、お金をバラまいたら、瞬く間に餌食にされてしまうのだ。売った買ったのギャンブルだとすれば、実は賭場で勝ち続けることはいかさまでもしない限り至難の業なのである。

 投資家がリスクを犯して株式市場に資金を投資する理由は、ただひとつ、早く自分のお金を増やしたいからである。この欲望ギラギラの共通の目的があるから、常に投資家は同じ行動に出るのである。株価が上昇しているときは、まだまだ上がると思って買いが買いを呼ぶし、株価が暴落しているときは、損失を少しでも少なくしようと売りが売りを呼んで、いつも底値を叩き売ってしまうのである。

 この人類共通の投資行動は、相場というものが世に出現して以来、世界中どこの市場でもまったく変わることのない普遍の法則である。

 これさえわかれば、あとは簡単である。その他大勢の市場参加者と同じ行動をしてしまう癖を改めて、常に逆の動きをすればいいだけのことだ。オーバーシュートした下げ過ぎのところで買って、市場が過熱したところで売ればいい。

市場の過熱と
下げ過ぎを見抜くポイント

 では、株価の過熱と下げ過ぎをどう見分けたらいいのだろうか。

 私は市場全体の出来高を見ることにしている。出来高が2005年当時のように30億株を超えて連日35億株前後の日が続けば、明らかに市場参加者が増えて過熱状態だし、今年に入ってからのように当時の半分以下の出来高は、明らかに陰の極にある状態だ。