「なぜ、あの人はすぐに正解を導けるのか?」「なぜ、あの人は失敗をしないのか?」「なぜ、あの人はやりたいことを実現しているのか?」――とびぬけて頭のいい人は、「迷いのない判断基準」と「瞬時に対応する問題解決能力」を持っています。その2つの能力を普通の人でも使えるスキルとしてまとめた、新刊MENSA、ISI、HELLIQに所属する天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」から、天才の思考法を紹介していきます。

未来予測を常にする

 未来に何が起こるのかは、誰にもわかりません。

 けれども、ある程度の予測を立てておくことはできます。予想される未来を何パターンか想定しておくと、どのパターンがきても慌てることがなく、「こんなはずではなかった」と落ち込むことも少なくなります。

 ここで私のいう未来とは、だいたい10年後くらいを指します。

 長期プランが立てられない状況なら、短期プランでもかまいません。

 考えるタイミングは、何か方向性が決まったとき、いわゆる「分岐点」です。「この道を選んだらこうなる」と予測を立て、さらにその先も「こっちを選んだらこう」と細分化して想像していきます。考えるときには、これまでの経験や見てきたことが役に立ちます。ほかの人の経験でもかまいません。「こういう展開のときはこうなる確率が高そう」と、ある程度パターン化しておくようにします。

予測パターンを複数考える

 たとえば私の場合は、医学部を卒業する時点で、研究留学できそうな場合とできなそうな場合の未来を、何パターンか考えました。

 一度は海外で生活してみたいと思っていたので、研究留学が難しそうであれば、海外の医師免許を取得するか、ほかの手段で行こうと決めていました。留学が決まった今は、現地での研究生活についてだけでなく、留学から帰ってきたら何をするか、どの場所でキャリアを終えるか、まで考えています。こうしておくと、ある程度の見通しが立ち、トラブルが起きても対処できます。

 また、予測パターンが複数あることで、未来の可能性はより広がります。選択肢が一つではなく複数だと思えば、前向きに取り組むことができ、モチベーションも上がっていくでしょう。

 では、もし予測パターンがすべて外れたときはどうすればいいと思いますか?

 そのときは、「その状況を楽しむ」のです。

 私だったら、自分が予測しきれなかったことを新鮮な展開として受け止め、感動すらしてしまいます。長く生きていると、日常で起こる出来事のほとんどが予定調和になりがちなので、予想もできない状況が訪れるのは、むしろ楽しいアクシデントです。

 英語のスラングに「YOLO」というものがあります。

 これは、「You Only Live Once.(人生は一度きり)」の頭文字をとったものです。

 人生は一方通行なので、嬉しいことも、悲しいことも、「今」起きるのは一度きりです。臆せず、アクシデントを楽しむ気持ちで、未来へと進んでいけばいいのです。

まとめ

凡人→とにかく今を生きる
天才→いつも先を見据えている
メリット→未来の可能性が広がる