多すぎる商品多すぎる商品に、選ぶ気力も失われる(※写真はイメージ) Photo:PIXTA

 年末大感謝祭、在庫一掃セール、お歳暮特集……世間は年末商戦真っ盛り。財布のひもも緩み、出費も多い時期だろう。だが、買物をするのは楽しいことばかりではない。『なぜ「それ」が買われるのか?』の執筆者で、博報堂買物研究所・上席研究員の山本泰士さんによると、いま多くの生活者が買物に疲れ、ストレスを感じているという。同書から、その実態を生々しく表す、とある女性へのインタビューを紹介しよう。

 *  *  *

「服が大好きなのに、なぜか買えなくなってしまいました」

 ヨウコさん(仮名・女性・25歳)は大学卒業後、2年前に関西から上京した社会人。

 家にテレビもなく、ほとんどの情報とスマホで接触するいまどきの若者だ。インスタも使いこなし、友達の近況も毎日これでチェックしている。

 彼女は言う。「私たち空気を吸うようにインスタをしているんですよ」。これは頻繁にインスタを見たり、投稿したりしているという意味だけではない。人間は空気を吸わなくては生きていけない。それと同じくらいにインスタが重要だ、という意味も含んでいる。