株式レポート
5月25日 17時0分
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悪化した欧州の景況感指数〜良い面と悪い面〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・昨日発表された5月の欧州製造業PMIは45.0と前月(4月45.9)から悪化し、2009年6月以来の水準まで低下した。ギリシャのユーロ離脱に市場の注目が集まっているが、債務問題に苦しむ南欧諸国の景気停滞が、欧州全体の足を大きく引っ張っている可能性がある。


・2012年初まで、ドイツなどはユーロ安による輸出回復で経済が良好だった。ただ、ドイツの輸出先には南欧諸国も含まれており、これがドイツ経済にも悪影響をもたらし始めたかもしれない。

・一方、今年は欧州が低成長となることは、市場ではある程度コンセンサスとなっており、昨日(5月24日)の欧州市場の反応は限定的だった。経済状況の悪化を受けて、ECBが金融緩和を含めた景気刺激策に動く可能性がでてくる。場合によっては、ギリシャの再選挙の前に、ECBによる金融緩和や流動性供給などの対応で、市場の混乱が一旦は落ち着く可能性もある。本日になって、ECBによる金融緩和を予想する報道が増えている。

・もちろん、短期的にそうしたシナリオに期待できるとしても、「経済の停滞」そのものは株式などのリスク資産にとってネガティブである。それが、中期的にリスク資産にポジティブとなるのは、欧州経済が停滞しても米経済の復調がそれを補い、世界経済の回復が保たれる状況が続くケースである。

・世界経済の回復は続いているとみられるが、それは日本の輸出動向から確認できる。グラフは、欧州向け輸出が減少する一方で、米国向け輸出が増え続け、輸出全体は回復傾向を保っていることを示している。この足元の動きを反映して、製造業を中心に2012年度の企業の業績改善が見込まれているわけだ。


・また、アジア向け輸出をみると、タイの大洪水で一部の輸出が止まった2011年末がボトムで、そこから持ち直している(グラフ参照)。中国の景気指標は冴えない(5月18日レポート)が、日本の輸出動向をみる限り、中国を含めた対アジア輸出に変調はみられていない。


・これらと、米国の景気指標の動きからすると、米国の奮闘で世界経済の回復は保たれているとみられる。マーケットで欧州問題は世界を揺るがしているが、実体経済の面では欧州の問題は域内に止まっている。もちろん、世界経済の「米国頼み」の構図は一段と強まっている。米国が2011年のように一時的にでも減速すれば、それは世界経済にとって大きなリスクになる。



(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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