64人しかいなかったフォロワー数を
1万7000人に増やした青森県の秘策

 動画は福原愛似のモン(夢)ちゃんこと金夢さんが青森各地を突撃レポートするというもので、明太子を口にして顔をしかめたりするリアルな反応がウケたようです。その結果、当初64人しかいなかった青森県のフォロワー数が1万7000人になりました。動画配信との連動でフォロワー集めに成功した事例として、多くの自治体に参考になると思います」。

ウェイボーはビジネスに使えるのか? 資生堂、JALなど先行企業に学ぶ意外な活用法FM青森が青森在住の中国人女子留学生に県内の観光地や料理をレポートさせた動画、『一路青森!お助け!? モンちゃん!!』。中国の検索サイト『百度』に配信したところ、当初64人しかいなかった青森県のフォロワー数が1万7000人に増えた。

 

 FM青森の担当者に話を聞いたところ、金夢さんは大連出身の留学生で、卒業後FM青森の契約社員となり、青森県から委託を請けた観光PRのため、2011年5月からこのレポートの動画配信を始めたという。彼女の明るい天然キャラを見てFM青森のスタッフが音声だけでなく、動画を中心に番組を組み立てることを提案したのがきっかけだそうだ。

「日本のグルメ番組のように、出てくるものはなんでもおいしいではなくて、彼女の素直な表情や反応が中国のネットユーザーに好感を持たれたのでしょう。動画に火がついたのは配信から1ヵ月後、ご飯の上に刺身をのせたのっけ丼を彼女が口にした回からです。日本では本当に生の魚を食べるのか、という反応だったそうです」(FM青森 栗田淳一さん)。

ウェイボーはビジネスに使えるのか? 資生堂、JALなど先行企業に学ぶ意外な活用法中国人にその存在をほとんど知られていなかった青森県が、一人の留学生の動画配信によって2000万人もの認知を得たという事実は軽視できない

 彼女は現在帰国しているが、中国のテレビ局からオファーを受け、ロンドンオリンピックのリポーターとして起用されるかもしれないという話もあるそうだ。

 実際のところ、これによって青森県への中国人観光客が増えたという話はまだ聞かないが、それまで中国人にその存在をほとんど知られていなかった青森県が、一人の留学生の動画配信によって2000万人もの認知を得たという事実は軽視できないことだ。

 少なくとも、インバウンド市場として青森県は初めて中国の消費者の知るところとなったといってもいいからである