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西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門

社会保障の影薄い社会保障・税一体改革
政治主導の改革実現に向け何をすべきか

西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]
【第16回】 2012年5月29日
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今月から野田政権の進める社会保障・税一体改革の舞台が、衆議院の特別委員会へと移っている。審議を通じ、これまで見えにくかった野党のスタンスなども明らかになりつつある。最終回となる今回は、これまでの計15回の議論を踏まえつつ、現在の議論を整理・検証することとした。加えて、今後もう一段の改革が必至ななか、真に政治主導の議論を進めるために何が必要となるかを考察した。

野田首相の意気込みばかりが際立つ
社会保障・税特別委員会

 2012年5月18日、衆議院において社会保障と税の一体改革に関する特別委員会がようやく始まり、連日開催されている。野田佳彦首相の消費税率5%引き上げにかける意気込みが際立つものの、首相を含め政府が同様の意気込みを社会保障にも注いでいるようには見えない。現時点において、特別委員会に付託されているのは7法案であり、その特徴は次の2点に集約される(図表1参照)。

1.消費税率の5%引き上げ。
2.社会保障に関しては総じてみれば現行制度の修正。その内容は、増税色を和らげる中和剤の色彩が濃い(第7回参照)。

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西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]

ニシザワ カズヒコ/1989年3月一橋大学社会学部卒業、同年年4月 三井銀行入行、98年より現職。2002年年3月法政大学修士(経済学)。主な著書に『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、11年6月)『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社08年4月、第51回日経・経済図書文化賞) など。(現在の公職)社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会委員。


西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門

増加する社会保障費の財源確保に向けて、政府は消費税引き上げの議論を本格化させている。だが、社会保障をめぐる議論は複雑かつ専門的で、国民は改革の是非を判断できない状態に置かれている。社会保障の専門家として名高い日本総研の西沢和彦主任研究員が、年金をはじめとする社会保障制度の仕組みと問題点を、できるだけ平易に解説し、ひとりひとりがこの問題を考える材料を提供する。

「西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門」

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